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イタリア初の三冠達成! 現代版グランデ・インテル◎サッカー世界遺産第26回

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連載『サッカー世界遺産』では後世に残すべきチームや人を取り上げる。今回、世界遺産登録するのは、2年間で鮮やかな復活を果たしたイタリアの名門。ポルトガル人の名将が率いたカルチョらしさ満載の、2008-10年のインテルだ。 インテル復活に尽力したモウリーニョ監督(左)とモラッティ会長 文◎北條 聡 写真◎Getty Images

スペシャルワン

 名将イビチャ・オシムによればサッカーには「創造」と「破壊」の2つのタイプがあるという。ひたすら守り通し、相手の武器を取り上げる破壊のサッカーを、オシムは『モウリーニョ主義』と呼んでいた。言い換えれば、負けないサッカーへのこだわりだ。  だが、勝てば官軍である。  実際、結果(栄冠)だけを求める人々も少なくない。イタリアの名門インテルを束ねる会長も、その1人だった。  亡き父アンジェロの会長時代の栄光――『グランデ・インテル』の復活を夢見ていた。そこで、あの男を指揮官として迎え入れる。いまから10年前の夏だった。  マッシモ・モラッティはインテルの会長に就任した1995年以来、莫大な資金を投じて強化に努めてきた。一説には10年間で約5億ユーロを使ったとも言われる。だが、その間に手にした栄冠はただ1つ。1998年のUEFAカップだけだ。ヨーロッパ最強クラブを決めるチャンピオンズリーグ(CL)のタイトルはおろか、スクデット(セリエAの優勝盾)の獲得すら、ままならなかった。  一時はサポーターの反感を買って会長職を追われたが、2005年に復帰する。すると、インテルはセリエA3連覇。ようやく念願のスクデットを手中に収めたが、モラッティの野心はまだ満たされていなかった。事実、3連覇へ導いた功労者のロベルト・マンチーニ監督をあっさり解任している。肝心のCLでは、3シーズン連続でベスト16に終わっていたからだ。  インテルはユベントス、ミランと並ぶ御三家の1つだが、全盛期は1960年代まで遡る。チャンピオンズカップ(CLの前身)で連覇を果たした『グランデ・インテル』の時代だ。この華々しい黄金時代を最後にインテルは、ヨーロッパの頂点を極めていない。2008年と言えば、クラブ創設100年目。まさに節目の年でもあった。  そこで目をつけたのが、ちょうと「浪人」の身であるポルトガルの指導者だ。自ら『スペシャルワン』(特別な存在)と名乗る不遜な男。あのジョゼ・モウリーニョだった。

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