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遊説縮小も広告費膨らむ コロナ禍の熊本県知事選、支出に変化<選挙のリアル>

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熊本日日新聞

 現職の蒲島郁夫氏(73)が新人で元熊本市長の幸山政史氏(55)を退けた3月の熊本県知事選。その経理書類となる両氏の「選挙運動費用収支報告書」が6月上旬までに県選挙管理委員会に提出された。新型コロナウイルスの感染拡大で、大規模集会や遊説が縮小された異例の選挙戦は、選挙資金の使い方にどんな変化をもたらしたのか-。熊本日日新聞が開示請求した同報告書から探った。  報告書によると支出総額は、コロナ対策の公務を優先するとして遊説を全て取りやめた蒲島氏が約832万円で、2016年の前回から36・3%減少。これに対し、前回に続く2回目の挑戦だった幸山氏は屋内の大規模集会を自粛した半面、公約のインターネット発信や選挙事務所のスタッフ拡充に力を注ぎ、約1914万円と30・9%増加した。  蒲島氏は、選挙カーを走らせなかったことで高速道路の料金や宿泊費が発生せず、「交通費」と「休泊費」はともにゼロ。前回約72万円を計上した「集合会場費」は99・2%減の5500円だった。

 車上運動員(ウグイス嬢)や事務員の「人件費」も51・0%減の約245万円、スタッフの弁当代などに充てる「食糧費」は77・0%減の約13万円。全11項目のうち10項目が前回より減少した。  蒲島氏で唯一伸びたのは「広告費」。遊説先などで有権者に渡す政策ビラを新聞折り込みによる配布に切り替え、項目別でトップの約289万円(43・2%増)となった。  事務担当者の星子昭宇氏は「今回は激戦の予想で、コロナ流行前は1500万円超の支出は覚悟していた」と振り返る。蒲島氏が過去の知事選で最も選挙費用を支出したのは前回の約1305万円。最少は、当時の共産党県委員長を下した12年の約818万円だった。  コロナ禍でも12年より支出が多かった点について、星子氏は「拡声器や看板を取り付ける選挙カーは既に準備済みだった。事務所に固定経費もかかる。消費税増税の影響もあった」と分析した。  総収入は約1292万円で、そのうち1100万円を蒲島氏の資金管理団体「熊本に夢の会」から繰り入れた。19年11月に開かれた同団体主催の政治資金パーティー収益や個人から同団体への寄付などが原資という。

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