"私はそう欲張りなアイドル"! YOASOBIとG2P-Japanの意外(?)な関係【「新型コロナウイルス学者」の平凡な日常】
■YOASOBIに思う2024年 今回はいったい何をそんなに熱く「アイドル」について語っているのか??と思われるかもしれない。念のため補足しておくと、私はYOASOBIの熱烈なファンというわけではないし、またアニメ好きというわけでもない。 さまざまな要素やピースを効果的に組み合わせ、あるいは必要に応じて新しいピースを作り出し、それらを効果的に組み立てていく。そのようにして形作られた紅白のYOASOBIのグランドデザインは、研究にも精通することのように思われたのである。そして、このようなグランドデザインに基づいた構図によるステージが成立した背景には、「YOASOBIが脱日本し、世界(少なくとも東アジアの諸外国)で認知されるような国際的なユニットとなった」という大前提がある。 G2P-Japan結成前夜である2020年大晦日の紅白歌合戦。そこで偶然耳にした(目にした)YOASOBIは、その年の大ヒット曲となった「夜に駆ける」のパフォーマンスをテレビで初めて披露した。それを耳(目)にして以来、この冬は、なんとかのひとつ覚えのようにYOASOBIばかりを聴いていた(18話)。 音楽と記憶が紐づくことについては、この連載コラムでも何度か触れたことがある(78話、79話など)。当時の奮闘の中からG2P-Japanという組織体が生まれたということもあり(6話)、YOASOBI(の「夜に駆ける」)は個人的に、G2P-Japan発進のアクセルの記憶と紐づいている。 そしてその3年後の大晦日。定点観測ともいえる紅白のステージで、この3年間でのYOASOBIの成長を目の当たりにしたようでもあり、私(たち)もより一層頑張らなければ、世界に羽ばたかなければ、と鼻息が荒くなった瞬間でもあった。 文/佐藤 佳 イラスト/PIXTA