店主は東京から移住した女性 漁村の小さな本屋が話題 本と干物をセットで販売 三重・尾鷲市
三重県尾鷲市にある本屋で、本と干物をセットで販売し話題となっています。本屋の店主は、東京から移住してきた元アパレル業の女性。移住することにした大きなきっかけは“東日本大震災”でした。環境はガラリと変わりましたが、東京にいたときにはなかった“様々な人とのつながり”を楽しんでいるようです。
尾鷲市にある九鬼漁港。尾鷲の市街地から車で20分ほどかかるちょっと不便なところに、本屋「トンガ坂文庫」はあります。 木のぬくもりを感じる古民家で、店内には色々な種類の本が並べられています。 店主の本澤結香さんはもともと東京でアパレル関係の仕事をしていましたが、4年前に移住し、このお店を開きました。
きっかけは“東日本大震災”が大きかったといいます。 「震災のゴタゴタで東京もそれなりに大変な思いをして、このままこういう場所にいていいのかな(と思った)」(トンガ坂文庫 本澤結香さん) 華やかなアパレルの仕事をしていたものの、都会での生活に違和感をもった本澤さん。たまたま訪れた尾鷲市ののどかな雰囲気に癒やされ、移住を決意したといいます。 「(都会にいたときは)セカセカしてたなと思います。考え方はずいぶん緩くなったというか、許容範囲が広がったというか、いろいろなものを受け入れられるようになったとは思います」(トンガ坂文庫 本澤さん)
本澤さんの本屋では、漁村にあるという特徴を生かし、干物と本をセットにして販売しています。 「季節によって変わりますけど、(干物が)5種類くらい入っています。これに選んだ本をセットにして、インターネットで販売しています」(トンガ坂文庫 本澤さん) 店内では誰でもお気に入りの一冊が見つかるようにと、子供向けの絵本から文学作品など様々なジャンルが揃えられています。
最近では地元の人だけでなく、ほかの街からもお客さんが来るほど人気となっています。 「すごい雰囲気良くて、本の種類も古い本から新しい本までそろっているので、楽しいなって思って」 「ネットで本を買える時代ですけど、こだわりの選書をしてくれているので、自分の感覚にはない本を選べるのがありがたいなと思っています」(客)
今では、東京にいたときにはなかった様々な人とのつながりを楽しんでいるといいます。 「すごく充実しています。本当によかったなと思います」(トンガ坂文庫 本澤さん) 小さな漁村にある小さな書店。一度訪れてみてはいかがですか。