夫と妻のギャップはなぜ生じる? 夫婦仲を改善する4つのステップ
『夫のLINEはなぜ不愉快なのか』(山脇由貴子 著、文春新書)の著者は、年間200家族の相談を受けているという「家族問題のカウンセラー」。 日々の業務のなかで、配偶者との関係に悩んでいる夫婦の多さを実感しているのだそうです。 たとえば「夫と一緒にいても楽しくない」という理由で離婚を考え、カウンセリングに訪れる妻は決して少なくないのだとか。 夫の側からすれば、「そんなことが離婚の理由になるのか!」と驚くしかないような話。 しかし、そうした不満や行き違いの背後には、夫婦仲を左右する大きな問題が隠されているというのです。 夫婦の間で不満が生じるのは、お互いの発言や行動の真意が理解できず、気持ちがすれ違ってしまうからです。 夫婦とはいえ、もとは他人だった2人ですから、お互いを理解することは簡単なことではありません。 むしろ理解できない部分があって当然です。それは誰しもが分かっていることでしょう。 (「はじめに」より) 思い当たる方も多いのではないでしょうか? まず女性と男性では、物事を認識する方法やコミュニケーションの方法など、いろいろな点が異なっています。あるいは、両者の育ってきた家庭環境の違いも影響を及ぼすことでしょう。 そこで本書では、著者のこれまでのカウンセリング経験や心理学のメソッドなどを踏まえ、「妻と夫のギャップがどこから生じてくるのか」を解明しているわけです。 「なぜ夫は妻の話を聞かないのか」「夫と妻の違いはどこで生じるのか」など、男女の差に関する著者の指摘は興味深いものばかり。 きょうは第5章「夫婦仲を改善する4つのステップ」に注目し、すぐに実践できそうなことをご紹介したいと思います。
ステップ1:食事を一緒に食べる
夫婦関係を維持するために重要なのは、食事の時間だそう。 そこで著者は、「顔を合わせると文句を言われる」「仕事が忙しいから無理」などと決めつけず、まずは一緒に夕食をとる回数を増やすことを心がけようと提案しています。 ある夫婦の例を紹介しましょう。 (中略) この夫婦は、毎日、一緒に夕食をとっているそうです。時間をかけて食事をしながら、その日にあったことを報告し合うのだとか。 2人で毎日、同じものを食べていると、身体が欲するものも同じになるので、妻が「今日はこれが食べたいな」と思ったものを作ると、夫のほうも「まさに今日これが食べたかった」と喜んでくれるそうです。 だから夫も夕食が楽しみで、毎日、できるだけ早く帰ろうと努力しますし、妻も夫に喜んでもらおうと、がんばって料理を作るのです。(159ページより) たしかに、これは重要なポイントではないでしょうか? 職場の事情もそれぞれ違うだけに毎日は難しいかもしれませんが、夫が努力する姿勢を示すことが、妻へのメッセージになるわけです。 また、一緒に買い物に行ったり、一緒に料理をしたりすることも、夫婦の距離を縮めることになるでしょう。(158ページより)