コロッセオで実際に海戦は行われた? グラディエーターにまつわるウソとホント4選
3. コロッセオでサメが泳ぎ回る?
2024年公開の映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』では、コロッセオに水を張り、サメが泳ぎ回るなか、軍艦同士が闘うという手に汗を握るシーンがある。ハリウッドの作り話とも思えるが、「ナウマキア」と呼ばれる模擬海戦は実際に行われていた。とはいっても、サメはいなかった。 記録に残っている最初の模擬海戦は、コロッセオが完成する西暦80年よりもはるか昔のカエサルの時代に行われている。実際にコロッセオでナウマキアが行われたかどうかについては、歴史家の意見は分かれるが、ローマ帝国皇帝のテイトゥスがコロッセオの完成時に行ったという話は一部に伝わっている。
4. 古代ローマは多様な社会だった?
『グラディエーターII』には、古代世界各地からの人々が登場するが、これは実際の古代ローマの文化的多様性を反映している。首都だけでなく、辺境の前哨基地にもアフリカや中東、ヨーロッパからやって来た人々がいた。 イギリスのヨーク近郊にあったローマの前哨基地跡から発見された首のない遺骨をDNA鑑定したところ、数千キロメートル離れた場所の出身者のものだったことが判明した。古代ローマは多種多様な民族と文化を内包した国際的で機動性の高い社会だったのだ。
文=Amy Briggs/訳=三好由美子