豪ヴァージン、737MAX標準型キャンセル 長胴型のみ導入、23年中ごろに初号機
経営再建中のヴァージン・オーストラリア(VOZ/VA)は現地時間12月9日、発注済みのボーイング737 MAXについて、発注内容を変更することでボーイングと合意したと発表した。発注済みの48機をすべてキャンセルし、新たに25機を発注し直す。初号機の導入時期は2年程度後ろ倒しし、2023年中ごろを見込む。 同社はこれまで、標準型の737 MAX 8(メーカー標準座席数:1クラス189席)を23機、胴体長が最長となる737 MAX 10(同230席)を25機の計48機を発注していた。今回の合意では、48機すべてをキャンセルし、新たに737 MAX 10を25機発注し直した。実質的なキャンセルは、737 MAX 8の23機分となる。 発注内容の変更により、初号機の導入時期も変更。737 MAX 10は従来、2021年7月の導入を計画していたが、2023年中ごろに後ろ倒しする。2025年2月に初号機を導入予定だった737 MAX 8は発注を取りやめにより、導入しない。 ヴァージン・オーストラリアを傘下に持つヴァージン・オーストラリア・ホールディングスは、中国から拡散した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により今年4月に日本の民事再生手続に当たる「任意管理」に入り、事実上の経営破綻状態となった。その後、米投資会社のベイン・キャピタルに買収され、経営再建を進めている。 再建計画では、737と777-300ER、エアバスA330-200型機、ターボプロップ機のATR72型機の4機種ある機材を737の単一機種に統一。長距離国際線の運航を中止し、国内線と近距離国際線に集中する。
Yusuke KOHASE