巨人の優勝説浮上の真偽?
キャンプインを前にして巨人の下馬評が高い。高橋由新監督の指揮官としての手腕は、まったくの未知数だが、早くも巨人優勝説が浮上している理由のひとつは、ライバルチームの戦力バランスが大きく崩れていることだ。ヤクルトは、抑えのバーネットがメジャー移籍して勝利の方程式が崩壊。阪神も、抑えのオ・スンファンと、主軸のマートンが退団した。広島は、15勝したエースの前田健太がドジャースへ移籍したことで大打撃を受けた。 一方、巨人は、昨季6勝6敗の左腕、杉内が夏まで間に合わず、ユーティリティプレーヤーの井端も引退したが、大きな主力の戦力ダウンはない。逆にメジャー通算122本の前ヤンキース、ギャレット・ジョーンズと、ロッテからルイス・クルーズを獲得。西武からFAで脇谷亮太も出戻りした。 昨季のチーム打率.243はリーグ最低。「1、2点打線」と揶揄された打線の強化と共に、クルーズ、脇谷という内野は、ショート以外どのポジションも守れる選手を補強したことで攻守のチームオプションを増やした。 各チームのオフの戦力編成の中で、消去法的に巨人が優勝候補の筆頭に浮上してきたのだ。 元ロッテの里崎智也氏も、「オフの間の戦力のプラスマイナスだけで今季のペナントレース予想をするならば、ダントツで巨人です。他球団に比べて、戦力のマイナス材料が、ほとんどありません。杉内のいない分は、去年働けなかった内海が出てくるでしょう。マイコラスが開幕からメンバーにいるのもプラス材料。ポレダ、菅野の先発3本柱に加え、中継ぎ、抑えも山口、マシソン、澤村と、ピッチャーのバランスも崩れていません。新外国人については、未知数でキャンプ、オープン戦を見てみないと評価ができませんが、元ロッテのクルーズだけは計算が立ちます」と、巨人を推す一人だ。 だが、反面、巨人優勝説に反論を持つ評論家も少なくない。 この日、朝のTBS系のテレビ番組「サンデーモーニング」で、カツ!で有名な張本勲氏が、「(巨人は)抜けていない。ベテランが衰えている。長野と、坂本(の出来次第)でしょう。いずれにしろ混戦になる」と、反論。年始のTHE PAGEのインタビューで、元中日のレジェンド、山本昌も同じように、巨人のベテランの主軸の衰えを指摘して、「巨人は、巨人らしくなくなっている。阪神に勢いを感じるが混戦になると思う」と、巨人優勝説に異議を申し立てていた。