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認知症の予防法を探る研究「J-MINT」とは

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Medical Note

高齢化に伴い、認知症の方が今後、ますます増えていくことが懸念されています。今のところ認知症の効果的な予防・治療薬はなく、薬以外の方法で発症を遅らせるのが、現時点での現実的な解決策です。その方法を探る研究が、国立長寿医療研究センターを中心に始まっています。どのような研究で何を目指すのか、同センターの荒井秀典理事長にお話を伺いました。

◇440人を対象に認知機能の変化を追跡

高齢になると認知症になりやすい、ということは何となく想像がつくかもしれません。ところが、日本人を対象にした、何をしたら認知症を予防できるのかという基礎的なデータはありません。 そこで、予防する仕組み作りのエビデンスを出すために行うのが今回のJ-MINTという研究です。正式名称の「認知症のリスクをもつ高齢者に対する進展予防を目指した多因子介入によるランダム化比較研究(Japan-multimodal intervention Trial for prevention of dementia)」から、英語の頭文字をとっています。 このJ-MINTとはどのような研究でしょうか。 名称の通り、認知症リスクがある人に対して生活習慣病管理、運動、栄養摂取、認知機能訓練という多因子にわたる介入をすることで、認知機能障害の進行を抑えられるかを検証するのが目的です。認知症リスクのある65~85歳の方440人を集めてランダムに220人ずつに分け、一方の群には18カ月(1年半)、先ほど述べた4項目の介入をします。それによって、研究開始当初と18カ月後で認知機能がそれぞれどれだけ変化していて、2つの群で差が出るかを実証したいと考えています。

◇介入には民間のノウハウも活用

今回の研究は、私ども国立長寿医療研究センターに加えて、名古屋大学、名古屋市立大学、藤田医科大学、東京都健康長寿医療センターが連携して行います。各施設ともさまざまな経験があるとはいえ、220人もの人に対してそれぞれが勝手にやっていては全く同じ介入にならず、結果の信頼性が保てなくなります。複数の施設でこれだけの人数に対して介入のクオリティーを担保するには、ノウハウが必要になります。そこで、運動や栄養管理、認知機能訓練に関しては民間企業のノウハウを生かしてアカデミアだけではできないことができるようにということで、SOMPOホールディングスとタッグを組むことになりました。 生活習慣病に関しては、糖尿病、高血圧、脂質異常症を、診療ガイドラインに準拠して管理します。 運動については、一般的な有酸素運動、筋に負荷をかける「レジスタンストレーニング」、バランストレーニングが基本です。当センターが開発した運動と認知課題(計算、しりとりなど)を組み合わせて行う「コグニサイズ」は、より効果が高いと考えているので、これも組み入れます。 栄養指導は面談と電話により実施します。 認知トレーニングはタブレットを用いた脳のトレーニングプログラムを使って行います。 こうした介入を加えた群と対照群で、半年、1年、1年半後にそれぞれ、認知機能の変化を評価します。同時に、採血をして、さまざまなバイオマーカー(病気の指標となる特定のたんぱく質など生体内の物質)や遺伝子の解析をします。また、MRIも撮って画像についても分析をします。そういうものを通して、どのような人には認知症予防の効果が出やすいかや、出にくい人にはどうするのか、といった次の課題につながるデータも出てくることを期待しています。 全体としてみると運動はいいとか、栄養の充実はいいであろうといわれていますが、本当にすべての人に効果があるのか、誰にもわかりません。今回の研究で血液などの検査もすることで、例えば「もともと認知機能が低下しにくい人はあまり頑張って運動をする必要はありません」とか「認知機能が落ちやすい人にはさまざまな介入で手厚くケアする必要があります」といったようなメッセージが出せないかと思っています。

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