【福岡ボート・GⅠ周年記念】瓜生正義が当地7回目の特別戦制覇
福岡ボートのGⅠ開設71周年記念「福岡チャンピオンカップ」は最終日の13日、最終12Rで優勝戦が争われ、インコースから好Sを踏み込んだ1号艇の瓜生正義(48)=福岡=が、人気に応えてイン逃げで快勝。当地の周年は54周年以来17年ぶり2回目、当地の特別戦は7回目(内訳はSG3回、GⅠ4回)のVを決めた。2着は4号艇の大上卓人、3着は3号艇の渡辺浩司が入り、瓜生と人気を二分した2号艇の毒島誠が敗れたことで中穴配当での決着となった。 ■ヒーロー これぞ千両役者だ。今節のシリーズリーダー瓜生正義が、最後も圧倒的な人気に応えて堂々の押し切り勝ち。「最後はお客さんも多かったし、勝ててよかった。ありがとうって声援も聞こえたし、やっぱり地元で勝つのはうれしい」。これで福岡のGⅠは4回目のV。SG3回を含めて特別戦は7回目のVと、地元の大エースが予選1位通過からの王道Vで主役の任務を全うした。 決定打は序盤から軽快だったエンジンパワー。手にした25号機は中堅ランクのエンジンだったが、ボート界屈指の整備巧者の手にかかると一変。「伸びはずっと良かった。優勝戦は課題だったターンでのトルクも出て今節で一番の足だった」。当地で無類の実績を誇る大エースに、超抜級の機力が備われば他艇になすすべはなかった。 これで今年は3月の住之江周年と合わせてGⅠは2V。2022年に選手会長(現選手会代表)に就任して以降は一般戦でもVから遠ざかっていたが、ようやく本来の姿を取り戻しつつある。「二足のわらじはいろいろ難しい一面もあります。でも、いい人生経験ができている。今年はその切り替えがうまくできるようになってきたかな」 以前の選手会長は就任するとレースをほとんど走ることがなく事務職に専念していたが、7月に引退した先代の上瀧和則さんが〝走る会長〟の道を構築。先駆者への感謝も忘れなかった。「メリットもデメリットもあるけど、上瀧さんがいろんな方面に掛け合って道を作ってくれた。今、レーサーとして走れているし、こんな結果も出せてありがたい気持ちですね」 次走は2年ぶりに出場する大一番のグランプリ。地元で大仕事を果たしたが、気持ちは既に3日後の前検へ向いている。「ここで一段落せずに、そのままの勢いで行きたい。今の優勝で喜び過ぎるといけないので、逆に気を引き締めていきたい」。まさに勝ってかぶとの緒を締めよ。〝走る選手会長〟としてさらに道を紡ぐべく、ボート界最高峰の戦いで新たな1ページを開く。(森 大輔) ■プロフィル ◆瓜生正義(うりゅう・まさよし)1976年3月5日生まれの48歳。福岡県飯塚市出身。嘉穂東高卒。95年5月、若松デビューの76期生。本栖研修所で8.31という強烈な養成所勝率をひっさげて鳴り物入りでデビュー。デビュー節に初勝利を挙げ、初優勝は96年11月の平和島一般戦。GⅠ初優勝は98年7月のとこなめ周年で、GⅠVは今回で通算22回に。SG初優勝は2007年住之江オールスター。SGではグランプリの2回を含む通算11Vで、通算優勝回数は91回。159センチ、54キロ。生涯獲得賞金は26億9847万円。 ■優勝戦VTR 進入に動きはなく、123/456の枠なり3対3。5コースの渡邉和が5コースから0.11のトップSを決めるが攻めるには至らず。インから好Sを決めた瓜生が3コース渡辺浩のツケマイをきっちり受け止めて、早々に独走態勢を築いた。4コースから最内を差した大上が渡辺浩を2周1Mで振り切り2着を確保。3番手は渡辺浩が毒島と渡邉和の追撃をかわして粘り切った。