30代以降の日本人の8割以上が歯周病?正しいセルフケアをしよう
脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病など全身の病気のリスクに!
歯を失うだけでなく、口臭の原因や全身の病気のリスクにもなる「歯周病」。60代以降は歯周病が重症化する人も増えてきます。歯周病の原因は、細菌の塊である歯垢(プラーク)と歯石。毎日の丁寧な歯磨きと歯科治療で、歯周病を治しましょう。
歯周病とはどんな病気?症状とは?
30代以降の日本人の8割以上がかかっているといわれる歯周病。年齢とともに増加し、歯を失う一番の原因になっています。 歯周病は、歯周病菌によって歯肉(歯茎)や歯を支える骨(歯槽骨しそうこつ)が破壊される病気。自覚症状がなく知らない間に徐々に進行するため、歯がグラグラしてきて初めて気付く人も多いそうです。 「なかでも要注意なのが、虫歯もなく、歯には自信があるという人。実は、虫歯と歯周病では原因となる細菌が異なっていて、虫歯の多い人は歯周病にはなりにくく、逆に虫歯の少ない人は歯周病になりやすい傾向があるのです。虫歯がないと歯科医院にもあまり行きませんから、発見も遅れがちです」 歯周病に詳しい若林歯科医院院長の若林健史(わかばやし・けんじ)さんは、こう指摘します。 歯周病は「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられます。歯肉炎は、歯肉が赤く腫れて出血する状態。歯周炎は、炎症がもっと進んで、歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)が深くなり、血や膿も出てきます。歯槽骨が溶けて、歯もぐらついてきます。 このような状態を招く元凶が、歯垢(プラーク)や歯石です。 「食べかすに細菌が集まって、トリモチのように歯にペタッとくっついたものが歯垢(プラーク)。そして、この歯垢(プラーク)に唾液中のカルシウムが沈着して、石のように硬くなったものが歯石です。歯石を顕微鏡で見ると、軽石のように多くの穴があり、その穴に細菌が棲みついています。細菌が出す毒素によって、歯周病はさらに進んでいくのです」(若林さん) ■歯周病の初期症状・進行の様子 健康な歯は、歯肉が薄いピンク色で、引き締まっている。歯肉に炎症がなく、歯磨きをしても、出血しない。 歯肉炎の状態。歯と歯肉の間に歯垢(プラーク)が蓄積。歯肉に炎症が起こり、赤く腫れる。歯磨きをすると出血する。 歯周炎の状態。歯石が蓄積し、血や膿が出る。歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が溶けて、歯がグラグラする。