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10万円給付、オンライン申請中止相次ぐ マイナンバーカード利用で自治体混乱

配信

週刊金曜日

 1人10万円の特別定額給付金をめぐり、全国で少なくとも28市区町が、5月25日時点でマイナンバーカードを使ったオンライン申請の中止や終了(一時停止を含む)を決めたことが、市民グループ「共通番号いらないネット」の調べでわかった。役所の窓口が混雑したり煩雑な事務を強いられたりしたのが原因で、低迷するマイナンバーカードの普及をコロナ禍に乗じて企てた政府に反発した形だ。  中止の自治体は北海道から沖縄県まで、秋田市、岡山市、高松市、高知市の県庁所在地や東京都内の10市区も。郵送申請の書類発送を機に踏み切るところが多い。  5月連休明けから、申請に必要なマイナンバーカードの暗証番号の再設定などのため役所を訪れる人が急増し「3密」の状態が生まれた。さらに、オンライン申請は「6割に不備」(高松市)があり、手作業で対応するので「審査にかなりの時間を要する」(東京都調布市)ことが自治体の重荷に。郵送に一本化したほうが「迅速・的確な給付」につながるという本末転倒の事態に陥った。  同ネットは政府の姿勢を「マイナンバーカードの交付率を上げることしか念頭にない」と非難し、オンライン申請を中止するよう5月15日に要請書を出していた。  ところが、本末転倒の動きは続く。自民党のプロジェクトチームが5月19日、今回の失敗を逆手に取ってマイナンバー制度の「活用方策」を提言したのだ。給付金の振込に利用した預貯金口座をマイナンバーと結び付けて保存・管理できる議員立法を提案。すべての口座にマイナンバーの付番を義務化する法改正や、マイナンバーカードの暗証番号の代わりに生体認証の導入まで求めた。  高市早苗総務相も口座とマイナンバー結合の義務化に前向きだ。提言は従来の政府の説明にない犯罪・テロ対策への利用も挙げており、同ネットは批判を強める。 (小石勝朗・ジャーナリスト、2020年6月5日号)

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