東北大が福島県の浜通り拠点に防災人材育成 危機管理や情報伝達を教育
東北大は福島県の浜通りを拠点に、防災や減災に関わる人材を育てる教育プログラムを始める。学生、研究者ら幅広い世代を集め、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の教訓や激甚化する災害対応などを学び、被災地の復興を後押しする。将来的に福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)や海外の大学などとの連携も視野に入れ、世界で活躍する人材の育成を目指す。 東北大が復興に向けて取り組む活動「FUKUSHIMAサイエンスパーク構想」の一環。震災と原発事故の経験を踏まえてプログラムを構築し、浜通りでのフィールドワークや座学を想定している。過去に国内外で起きた大規模災害の規模や構造を分析し、危機管理の考え方や情報伝達の在り方など基礎的な知識を身につける。災害に対応したロボットなど先端技術・研究も学習する。 年に複数回の実施を予定し、学生や企業関係者、まちづくり団体など防災・減災に関心がある個人・団体を対象にする。研究者、行政向けの専門性が高い講座の開講も検討している。エフレイなどと協力したプログラムも考えていく。詳細な内容は今後詰める。
東北大は南相馬、富岡、大熊、双葉、浪江の浜通り5市町村と連携協定を結び、浪江町に研究拠点を整備する方針を掲げている。プログラムは研究拠点も活用し、広域的な活動を繰り広げる。同大グリーン未来創造機構の担当者は「災害の犠牲者をなくすため、想定外の事態にも柔軟に対応できる人材を浜通りから育てていく」と話した。