にぎわいと「共生」の場に “丘のりんご”来春「並木テラス」オープン コーラ開発、障害者就労も【長野県飯田市】
長野県飯田市伝馬町の一般社団法人「ソーシャルデザインプロジェクト 丘のりんご」(丸山まゆみ代表)は来春、カフェ「並木テラス」を同市中心市街地のりんご並木沿いにオープンする。まちのにぎわいづくりにとご当地クラフトコーラ「南信州コーラ」を開発。障害者も働ける場を目指し、丸山代表は「中心市街地の活性化に貢献し、共生社会の実現に向けた拠点にしたい」と話す。 丘のりんごは2015年に設立。障害児者を支援する放課後等デイサービスを中心市街地で4カ所運営している。「誰もが暮らしやすい社会」を掲げ活動する中、まちの活性化への貢献も必要と考え「中心市街地ににぎわいをつくりたい」と、松尾町にある並木沿いの店舗を借り、カフェ店経営を計画した。 にぎわいづくりの一つとしてご当地コーラ「南信州コーラ」を考案。職員が2年かけて開発し、原料に地元産のリンゴやレモンなどの果物を使用。香りづけに香木のクロモジも使っている。ハーブの一種バタフライピーで紫色の氷も作り、色合いも工夫した。 3日の飯田丘のまちフェスティバルで初めて販売した。限定100杯が売り切れ、追加で作るほどの人気だった。コーラは当面りんご並木の歩行者天国イベントに合わせ販売し、瓶詰めのシロップも売っていく。 多様な人が関わりを持ちながらコーラを作りあげたいと考えており、19日に同カフェで長野県立大学の学生や、並木で活動する飯田東中学校や地元の高校生と交流会を開催。20日に大学生が活用へのアイデアを発表し、「丘の上の理念を伝え、思いやりの心が芽生える商品に」などの意見が上がった。3年の学生(21)は「飲んだら南信州が浮かぶ、ストーリー性がある飲み物に」と話した。 並木テラスは来年の4月にオープンを予定する。「障害児者が将来自立していくためには、子どもの頃から多様な人と触れ合い、関係性が持てる場が必要」との考えから、同テラスを丘のりんごに通う子どもたちの仕事を体験する場所にしたいとする。26年度には広く障害者が就労できる店に整えていく。 丸山代表は「障害のある人もない人も共に暮らしやすい共生社会の実現に向け、大火で生まれた心を美しくしてくれるりんご並木に、多様な人が集い笑顔になる場をつくれたら」と話した。