「ベルばら」ゆかりの牧場に吉報! 皐月賞でも人気を上回る好走に期待
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆先週の血統ピックアップ ・3/20スプリングS(GII・中山・芝1800m) ハナを切ったビーアストニッシドがアライバルの追撃をハナ差抑えて逃げ切りました。これまで重賞で2、3、4着の成績があったのですが、勝ったのは初めてです。 父アメリカンペイトリオットは現3歳が初年度産駒。父系はウォーフロントを経てダンジグにさかのぼります。ウォーフロントの系統は、ザファクター、デクラレーションオブウォーなど、このところ日本で供用される種牡馬が増えています。切れ味よりもスピードの持続力が持ち味なので、今回のような逃げ戦法は血統的にも合っていました。 母マオリオは不出走馬ですが、その兄弟にライジングリーズン(フェアリーS)、ゴライアス(オープン)、グランフィデリオ(3勝クラス)、リーピングリーズン(現3勝クラス)がいる良血。デビューからここまで6戦、着順が人気を下回ったことが一度もありません。走っても走っても人気にならないタイプなので、次走の皐月賞でも人気を上回る好走が期待できます。 ちなみに、生産牧場のヴェルサイユファームは、旧名を三城牧場といい、ミスパンテールやウインラディウスなど多くの活躍馬を出してきました。夫の死によって代表取締役会長に就任した岩崎美由紀さんが元タカラジェンヌなので、「ベルサイユのばら」にちなんでヴェルサイユファームに改名したという次第です。 ◆今週の血統注目馬は? ・3/26春風S(3勝クラス・中山・ダ1200m) 中山ダート1200mに強い種牡馬はアジアエクスプレス。これまでに産駒が93回走って28回連対しています。連対率30.1%。2012年以降、当コースで産駒が20走以上した183頭の種牡馬のなかで第3位という好成績で、当レースに産駒が登録している種牡馬のなかではトップです。 産駒のシゲルヒラトリは、当コースでこれまでに6回走って[3-1-1-1]。3勝クラスに昇級後は12、6着と大敗していますが、前者は1400m、後者は阪神遠征と、それぞれ敗因がありました。最も得意とするコースに戻ればチャンスはあります。 (文=栗山求)