「市船らしい勝ち方」で8強進出!仙台育英に完封勝ち
1月3日、第99回全国高校サッカー選手権大会3回戦がフクダ電子アリーナで行われ、仙台育英(宮城)と市立船橋(千葉)が対戦し、後半着実に得点を重ねた市立船橋が3-0で勝利した。勝利した市立船橋は1月5日にフクダ電子アリーナで行われる準々決勝で帝京長岡(新潟)と対戦する。 【フォトギャラリー】仙台育英 vs 市立船橋 序盤、2回戦をU-16日本代表候補7番MF鳥野怜のハットトリックで宮崎日大(宮崎)に3-0で勝利し、勢いに乗る仙台育英が攻勢に出る。しかし鉄壁の市立船橋守備陣を崩し切れずに迎えた37分、右サイドからのクロスにゴール前で9番FW佐藤遼が頭で合わせるも、ヘディングシュートは惜しくも枠の外へ。仙台育英がチャンスを活かせず、スコアレスで前半を終了する。 後半に入り市立船橋がギアを上げ仙台育英を押し込む。すると44分、11番FW加藤想音の右CKから4番DF菅谷暁輝がヘディングで決めて先制。更に47分、右サイドの6番MF八木智哉からのスルーパスに抜け出した11番FW加藤詩音が前に出てきたGKの脇を通すシュートを決めて追加点。更に71分、右CKのこぼれ球を10番MF佐久間賢飛が決めて3-0。1点を返したい仙台育英は76分、FKの流れから10番がヘディングシュートを放つもバーに弾かれゴールならず。市立船橋が3-0と盤石の試合運びで勝利をものにした。 しっかり守ってセットプレーで得点する。勝負にこだわる「市船らしい勝ち方」を絵にかいたような試合となった。仙台育英の城福敬監督も「チャンスでしっかり枠にシュートを飛ばし決め切る。市船さんの強さを肌で感じました」と脱帽した。仙台育英キャプテンのMF豊倉博斗も「努力してきたが全然通用しなかった。声の掛け方から全く違う。自分たちより数倍いいチームでした」と舌を巻いた。「練習中からゴール前の守備はこだわっていて、粘り強くついていく事だったり、シュートを打たせない、体を投げてシュートストップするというのはチーム内で意識高くできている。自分が出れば点を取られないぐらいの気持ちでやっていますし、そこで取られたら話にならないと思っています」と話すキャプテンDF石田侑資からも勝負に対しての意識の高さが感じられる。信頼できる守備陣がいることで「市船は点を取られないので、自分たちFWが点を取れれば勝てる」(FW加藤)前半に点が入らなくても焦る事がないのだろう。「選手には市船として『全国に出たら上位に進出しないといけないという責任を背負いながら戦う必要がある』という話はしています」(市立船橋・波多秀吾監督)「去年初戦敗退という情けない戦いをしてしまっているので、日本一を取りたいという気持ちは全員持っている。そこの意識はどこにも負けないと思っています」(DF石田)と試合後に選手からも、監督からも勝った油断は微塵も感じられない。強い市船を復権させるのは、かつて「最弱の代」と呼ばれた彼らかもしれない。そう感じさせられる一戦になった。