政治資金、収支とも増加 収入最多は自民党6億900万円、和歌山県
和歌山県選挙管理委員会は29日、県内政治団体から提出された2023年収支報告書の概要を公表した。政党支部の収入総額は11億6800万円(100万円未満切り捨て)で前年比5%増、支出総額は7億1800万円で8%増となった。収支増は、県議選を含む統一地方選や衆院和歌山1区(旧)の補欠選挙により、活動が活発化したためとみられる。 【和歌山県議会は46位 政活費の情報公開度、市民オンブズマン採点の記事はこちら】 政治資金規正法に基づく公表。政党支部は109団体中108団体から報告書の提出があった。 収入が最も多かったのは自民党で6億900万円(前年比4%増)。このうち寄付は1億7300万円(21%増)だった。中でも「法人その他の団体」からの寄付が48%増え1億400万円、個人からの寄付も18%増え2700万円となった。政治団体からの寄付は4100万円(16%減)だった。この他、党費・会費は3100万円、本部・支部からの交付金が1億2900万円、前年繰越額は2億6800万円など。 次に多かった共産党は2億8600万円(2%増)。寄付は7800万円(9%増)で、全て個人からだった。党費・会費は2700万円、本部・支部からの交付金が1億5600万円などだった。公明党は1億6100万円(17%増)。寄付が60%増の2600万円、本部・支部からの交付金が63%増の2100万円。前年繰越額は1億1千万円だった。 国民民主党は4400万円で29%減った。本部・支部からの交付金が700万円で64%減。一方、維新の会は2500万円で178%増。本部・支部からの交付金が2100万円で256%増えた。 支出は自民党が3億2800万円(4%増)、選挙関係費が1900万円で177%の増。共産党が2億7200万円(5%増)、公明党が5100万円(86%増)、維新の会が1900万円(195%増)、国民民主党が1700万円(36%減)、立憲民主党が1600万円(20%増)、参政党が800万円(11%減)、社会民主党が400万円(7%減)だった。自民、公明、維新、立憲民主の各党は選挙関係費などを大きく増やし、国民民主党は減少した。 国民民主党の収支減と維新の会の増は、国民民主党所属の衆院議員だった岸本周平知事が知事選出馬を控え、前年7月に離党。岸本氏の衆院議員辞職を受けた補選に維新の会の林佑美氏が出馬した影響とみられる。 その他の政治団体については568団体中、540団体から報告書の提出があった。収入総額は5%減の6億2400万円、支出総額は8%減の3億1100万円。収入は多い方から「周勝会」(岸本知事の資金管理団体)7500万円、県医師連盟7400万円、世耕弘成後援会4300万円などだった。
紀伊民報