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プロ志望高校生合同練習会をいい機会にプロアマの雪解けが進んでほしいです/デーブ大久保コラム

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週刊ベースボールONLINE

 先々週は、甲子園球場で高校生を対象にしたプロ志望高校生合同練習会が行われ、先週は東京ドームで行われたみたいですね。新型コロナウイルスの影響によって、こういう措置が取られたようですが、野球界全体にとってはとてもいいことだと思います。 「プロ志望高校生合同練習会」で心にグッときた球児の言葉  今回NPBと高校野球連盟が一緒になってこの企画を行ったことに大きな意味があると私は思います。何せ、野球界の中でなかなか一つになれなかった2つの団体が手を取り合ったわけですから、画期的ですよ。  もちろん、昔プロ野球側がいろいろなことをしてアマチュアの不信を買ったことは知っています。でも私はいつか、プロアマの垣根がなくならないかなと思っています。普通に考えて不思議に思うことが、野球界にはある。その中でよく考えたら、プロになる前はみなアマチュアです。  例えばです。工業高校に進んだら、工業系のプロになるための訓練を受けるわけです。その訓練を受けるために、その道のプロの先生に、一流の技術を学ばないですか? また実習を受けるのに、プロのいる会社に研修に行きませんか? そうやって高校時代からプロに直接触れることで、技術も気持ちもその方向に進んでいけるわけです。  高校野球の選手たちはいかがでしょうか。高校生になった途端にプロとの接触は禁止となります。今はいろいろな制度ができ、元プロでも高校野球の監督ができるようになりました。それでも、元プロが指導するには資格が必要ですし、現役選手から技術指導を受けることはできません。将来プロ野球で頑張りたいと思う選手たちが、プロの指導を受けられない……。それは工業高校や商業高校の生徒がプロの方々から指導を受けられないのと近いものがありますよね。今回は、そういう壁がなくなるための1歩になると思うのです。すべては選手のためなのです。プロは毎日野球しかやらない中で、技術の向上も日々進んでいき、トレーニング方法も最先端を行きます。そういう部分を高校のときから少しでも身に付けるだけでも野球界のレベルの底上げにつながっていくと思うのです。  私のように野球塾を経営しているような元プロ野球選手は、中学までしか指導できません。もし、プロアマの雪解けがさらに進み、塾で高校生にも教えられることができるとしたら、彼らの底上げに尽力させてもらいたいですね。特に今、そういう塾に通っている小学生や中学生を継続して指導できたら、性格やプレーのクセまで分かるので、高校に入った後で何かカベにぶつかったときに、一緒に対応ができるはずです。  もちろん部活がありますから、頻繁には見ることはできないと思いますが、そこは時間を見ながら……という夢みたいな理想郷が出来上がります。勝手ながら、今回のNPBと高野連の試みに対し、新しい希望が芽生えたと思っています。ぜひ、今後もこういう企画を毎年続けてほしいですね。 『週刊ベースボール』2020年9月21日号(9月9日発売)より PROFILE 大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で西武に入団。トレードで巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から野球解説者をこなしながら新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営している。

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