「なんで黒人がいるんだ」。街中で突然投げかけられた言葉を胸に、彼女がビューティコンテストに出た理由。
Black Lives Matter運動
2020年5月25日、アメリカのミネアポリスで、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさん(46)が、警察官に首を膝で押さえつけられ死亡したことをきっかけに、「#BlackLivesMatter(黒人の命は大切だ)」(以下、BLM)と訴える抗議活動がアメリカをはじめ、全世界に広がりました。 ブランディさんも、日本で行われたBLMのデモに友人と参加したといいます。 「参加者は外国籍の方たちが多く、日本人の若者は少なかった印象でした。若者にとってはデモなどに参加すること自体、普通じゃないこと。自分の考えを主張したがらないのかなと思いました」 その時の心情をブランディさんは、自身のnoteにこう残しています。 《アメリカの現状を見ながら 頭の中がひたすら悲しみと悔しさでいっぱいになった。 (途中略) 日常的に会話などで何気なく感じた偏見を心を押し殺してちゃんと向き合って来なかった。 私はよく人から繊細だ。って言われる。だから私がとった行動は忘れることだった。傷ついた自分を認めたくなかったからだ。》 「あの時期(BLMが起きた時期)は、今までの色んなことを思い出してしまって本当に辛かったんですけど、でもその中で、ハートがあってこれからも関わっていきたい人に出会えたりだとか、自分にとってのターニングポイントになりました」 Beauty Japanの選考中に起きたこの事件は、ブランディさんの気持ちを大きく揺れ動かしました。 日本大会に進出したブランディさんでしたが、地区大会とは異なり日本大会では、自分の発信内容やプレゼンだけでなく、チケットやパンフレットの販売数が評価に加味されるようになり、「大会が定める社会貢献や美しさとはそもそも何なのだろう?」と疑問を持つようになったといいます。 「辞退を幾度も考えましたが、他のファイナリストの方などに背中を押され、出場を続けることを決めました」