謎の不調はもしかして「腸カンジダの増殖」が原因かも⁉︎要因となりやすい5つの習慣と、引き起こされる恐ろしい症状とは?【医師が解説】
増殖した「腸カンジダ」が引き起こす症状とは?
---腸カンジダが増殖すると全身にどんな症状をもたらすのか、具体的に教えてください。 「腸カンジダが引き起こす症状は、次のようなプロセスで悪くなることがわかっています。 ① 腸から必要な栄養素が吸収できないため、疲労感や頭痛、気分障害、下痢、腹痛などが続く。 ② 薄くなった腸粘膜は隙間がザルような状態のため、未消化のタンパク質が通り抜け、遅延型食物アレルギーが起きやすくなる。 ③ 異物も容易に体内に入りやすくなり、それを攻撃するために抗体が形成され関節炎などの自己免疫疾患につながるリスクとなる。 ④ 糖質だけは急速に腸に吸収されるので、血糖値の乱高下が起きる。このため低血糖が起きて気分が不安定になる。 ⑤ 栄養素を運ぶタンパク質を傷つけるため特にミネラル不足になりやすく、中高年ではマグネシウム不足から不整脈や高血圧の原因になる。 ⑥ 薄く弱くなった腸粘膜では解毒作用も低下。このことで肝臓の負担が増え、肝臓で解毒しきれなかった毒素が全身を周り、全身のあちこちで炎症が起きる火種となる。もし脳に運ばれ炎症が起こればうつ病や認知症になりやすい。 腸カンジダが身体にとって、いかに悪影響をもたらすかわかっていただけましたか? 健康のために、とどんなに栄養価の高いものを食べても、炎症が起きているカンジダ菌だらけの腸では栄養を吸収できないのです。 後編では、腸カンジダについての検査方法や対策について具体的に解説します。 次のページへ▶▶「腸カンジダ」が体内で増殖していたら?健康な腸を取り戻すために「食べてはいけないもの」と「積極的に摂るべきもの」とは? お話を伺ったのは 姫野 友美先生 (ひめのともみクリニック院長) 東京医科歯科大学医学部卒業、九州大学医学部付属病院、北九州市立小倉病院、麻生飯塚病院、愛風会さく病院、Mayo clinic Emergency Room(U.S.A) Visiting Clinician、東京都立広尾病院、東邦大学大橋病院、木原 病院、(財)東京顕微鏡院付属診療所、テーオーシービル診療所、女性のための生涯医療センターViVi勤務を経て、 2005年にひめのともみクリニック開設。2006年~2021年は、日本薬科大学漢方薬学科教授。著書多数。近著に「認知症になりたくなければラーメンをやめなさい」(講談社) (取材・文/葉山より子)
オトナサローネ編集部 露木
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