Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「大変異」これが新型ウイルス出現のメカニズム!感染免疫学の専門家・岡田晴恵教授が提言‼︎【新型コロナウイルス感染症と戦う⑤】

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
BEST TIMES

 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の感染拡大が、世界中を脅かしている。テレビで話題の感染免疫学の専門家・岡田晴恵教授は言う。「人口密度があがり、高速大量輸送となった21世紀は感染症との闘いの時代。パンデミック疲労が世界中を席巻している現在、これまでの感染症の流行と歴史、そして当時の人の生き様を振り返ることで、新型コロナウイルスにも正面から対峙できる精神を持てるのではないでしょうか。パンデミックという”大災害”を、いかに“減災”できるのかが、人類の英知なのです」。先生の著書『なぜ感染症が人類最大の敵なのか?』(ベストセラーズ POD版)から、新型コロナとの闘いを考えてみよう。  第5回は新型ウイルス出現のメカニズムを紹介する。 この記事の写真はこちら ◼️メカニズムでわかる!?  新型ウイルス出現の危機  新型ウイルスはどんな風に出現するのか? 鳥インフルエンザが新型インフルエンザに変わるメカニズムを説明しておこう。  5月に死亡した最初の男の子からは、H5N1型の鳥インフルエンザウイルスが検出された。この事例は、鳥インフルエンザが偶発的に人に感染したものと考えられるが、鳥インフルエンザの人への感染がくり返されると、新型インフルエンザ出現の危険性が高まるのである。以下、このメカニズムを説明する。  図に示すように、鳥インフルエンザに感染した人に、毎年流行している従来のインフルエンザが同時に重感染を起こすと、鳥と人のウイルスが人の体の中で混じり合う(遺伝子交雑)可能性が考えられる。その結果、人と鳥の混ざりあったウイルスが生じると、なかには人から人へ容易に感染しうる伝播力を持ったウイルスが出現することにもなる。  これはもはや鳥のウイルスではなく、人のウイルスである。これこそが、新型インフルエンザ出現の重要なメカニズムである。 この新型インフルエンザウイルスは、従来の人の社会で流行しているインフルエンザとは、 ウイルスの抗原性が大きく異なる。このことから、新型インフルエンザの出現を「大変異」、「不連続変異」とも表現するのである。 ◼️ブタの細胞は人と鳥のウイルスの両方に感染しうる  また別の経路としては、ブタの介在が考えられる。ブタは中国や東南アジアでは鶏などの家禽と一緒に飼われ、家禽とも人とも接触する機会のある家畜である。そして厄介なことに、ブタの細胞は人と鳥のウイルスの両方に感染しうるのだ。このためブタの体内においても、鳥インフルエンザと人のインフルエンザの重感染が起これば、鳥と人の混ざりあったウイルスが生まれてくる可能性がある。   さらに上記図中の右下に向けた矢印を見ていただきたい。インフルエンザウイルスは、遺伝子変異を起こしやすいウイルスであることから、鳥のウイルスが独自の遺伝子変異によって人から人へ伝播しやすいウイルスに変わることもありうる。この場合も、人の新型インフルエンザウイルスに変異したことになる。  このように鳥インフルエンザが鳥の間で流行し、鳥から鳥へ感染が広がり、鳥からブタへ、鳥から人へという感染をくり返していく間に、鳥インフルエンザウイルスは遺伝子の交雑、変異をくり返して、しだいに人に慣れ親しんでくる。そして突然、新型インフルエンザとして人間社会にやって来て、大流行をもたらすこととなる。

【関連記事】