朝起きたら未読メールが何百通…。「メールボム」の本当の怖さと、すぐにやるべきこと
ある朝、目が覚めたら、受信トレイに何百通ものメールが送られてきていたらどうしますか? 「ニュースレターのご登録ありがとうございます」「オンラインフォーラムへのご参加ありがとうございます」というメールや、外国語で書かれていて、何のことかわからないメールがたくさん届いていたとしたらどうでしょう。 迷惑メールフィルターに引っかからなかったのは、これらのメールが、厳密に言えば迷惑メールではなく、正式な確認メールだからです。 ただし、あなたが登録したわけではありませんが。 あなたの身にそんなことが起きたら、十分注意しましょう。 あなたは「メールボム(爆弾)」を受け取ったのです。メールボムを受け取るには、おそらくそれなりの理由があります。そしてその理由は、あなたにとって、決して良いことではありません。
メールボムとは
英語では「subscription bombing(サブスクリプション爆撃)」とも呼ばれるメールボムは、突然、さまざまな企業やウェブサイトから、一度に大量のメール(たいてい数百通)が送られてくるものです。 メールはすべて、あなた自身は登録した覚えがないのに、登録したことを確認する内容で、あなたが実際に使っているメールアドレスに送られてきます。 メールボムは、自動化されたスクリプトを使って送信されます。スクリプトは、オンライン上のフォーラムやニュースレターなどのサイトを探し出し、そこにあなたのメールアドレスを入力するのです。 プロセスが自動化されているため、攻撃者は、あなたの情報を数百カ所のサイトに瞬時に登録し、数百通のメールをあなたに送りつけることができます。 1回のメールボムで受け取るメールの数は、めまいがするほどの量。そして、そこが肝心な点です。なぜならメールボムは、ほぼ間違いなく、あなたを動揺させるためにつくられているからです。
なぜメールボムを受け取ったのか
あなたがメールボムを受け取った理由としては、決してありがたくない3つの可能性があります。 いたずら。メールボムを受け取った理由の中では、もっとも気に病む必要がないものです。あなたを嫌っている誰かが、あなたを少し困らせてやろうとして、後始末が大変なメールボムを送りつけたのです。勝手に雑誌の購読申込をしたり、家にピザを送ったりする嫌がらせの「デジタル版」と言えます。 悪意のあるリンクをクリックさせるため。メール本文の「解約する」という部分に悪意のあるリンクを仕込んでおき、これをクリックさせる、という目的でメールボムを送ることもあります。実在の会社やサイトから、申し込んでもいないのに、なぜかたくさんのメールが送られてくるので、あなたは深く考えずに「解約する」を押してしまいます。そして、あなたのパソコンが不正にアクセスされてしまうのです。 注意をそらすため。もっとも可能性が高く、危険性も高い理由です。誰かが、あなたのクレジットカードや店舗のアカウント情報に不正にアクセスして買い物をした、あるいは、アカウントに何らかの変更を加えてそれをあなたに知られないようにした、という場合です。その際の確認メールや警告メールを、大量の偽メールの中に紛れ込ませようとしているのです。 たとえば、ある女性のケースを見てみましょう。 ある日、彼女が朝起きると受信箱に大量のメールが。あとになって、誰かが彼女のクレジットカード情報を利用して、1300ドルの買い物をしていたことがわかりました。 メールボムは、それを発見されにくくするためのものだったのです。 詐欺を働く人物があなたに望んでいるのは、よく確認せずに、すべてのメールを迷惑メールとして削除し、重要なメールを見逃してしまうことです(つまり、購入料金のチャージや、パスワードや二段階認証等の変更など、アカウントに不正があったことを示すメールのことです)。 重要なのは、突然メールボムに見舞われたときに、いたずらや間違いだと思ってはいけないということです。自分は攻撃されていると思ってください。