「離党勧告に近い」 田畑氏問題で自民党県連
●処分なし、対応甘い 支援企業関係者 自民党の田畑裕明衆院議員(富山1区)の不適切な党員登録の問題を巡り、党富山県連が田畑氏の党県第1選挙区支部長選任を当面認めず空席とする対応を決めたことに対し、関係者の賛否は分かれた。田畑氏が次期衆院選で党公認候補となるのは現時点では厳しい見通しで、県連役員は「離党勧告に近い重い決断だ」と評価。一方、田畑氏にすぐに重い処分が下されたわけではなく「対応が甘すぎる」との見方もある。 「大変重い対応を取った。県連なり富山市連として一定のけじめをつけさせてもらった」。県連の宮本光明幹事長は12日の会見で、党本部による現職優先の支部長選任にストップをかけた対応をこう強調した。 宮本氏は、次期衆院選の公認候補となる支部長の選考に田畑氏を含めるかどうかは本人の活動次第だと説明。田畑氏を選任作業の俎上(そじょう)に載せる判断基準は明確には決めていないとした。次の支部長の決め方については、県連と富山市連で協議が必要とした上で「組織内での決定では納得いただけないだろう」と述べ、予備選も否定しなかった。 ある県連関係者は「田畑氏が再び支部長に選ばれる可能性は極めて低い」と予想した。 ●市長選、市議選優先 同じく12日に取材に応じた、富山市連の中川忠昭支部長は第1選挙区支部長の選考時期について問われ「(来年4月の)市議選、市長選優先で考えていきたい」と述べた。市連関係者によると、市議選後に時間をかけ慎重に決めるべきとの意見や、市議選前に刷新したいとの声があるという。 市議の一人は「県連の判断は非常に重く、田畑氏に厳しい姿勢を示した」と受け止めた。市議選で田畑氏の応援を受けることはないとした。 ●総務会で異論出ず 宮本氏は会見で、県連の対応について、常任総務会では異論は出なかったとして、「重い、軽いという意見はなかった」と述べた。 ●「離党求めてほしかった」 一方、自身や社員が無断で党員登録されていた支援企業の関係者は、富山新聞の取材に「県連には自主的に離党するよう求めてほしかった」と述べた。田畑氏が今後も自民の国会議員として活動できることや、次期衆院選の公認候補となる可能性がわずかでも残っていることを疑問視。これまでの会見などであった説明の真偽も怪しいとし「田畑氏が信頼を取り戻すのは無理だ」と言い切った。