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「生きる力」伝える舞台 岐阜市の劇団、学校公演再開

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岐阜新聞Web

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの舞台芸術は苦境に立たされている。主に小学校や幼稚園で公演を行う「劇団風の子中部」(岐阜市領下)は、突然の一斉休校により、相次ぐキャンセルに見舞われ、一時は劇団存続の危機に直面した。緊急事態宣言の解除後、徐々に公演の機会は出てきたが、先行きは不透明だ。劇団の西川典之代表(61)は「文化芸術は生きる力になる」と前を見据え、稽古に熱を入れている。  劇団は2010年に発足。14人の団員が所属し、中部地域で子ども向けの舞台を年間300公演こなしてきたが、3月に状況が一変した。学校での公演の機会がなくなり、5月まではゼロに。練習施設の利用も制限され、役者の大熊勝利さん(41)は「喪失感に襲われた」と当時を振り返る。  何とか練習場所を見つけ出し、コロナ対策を取りながら稽古に励む中、6月下旬に美濃市の保育園で舞台を上演できる機会を得た。コロナ対策を万全にして、昔の遊びやわらべうたを織り交ぜた劇「ぱらりっとせ」を披露。役者の動きに感動していた園児の表情に、「団員はパワーをもらった」(大熊さん)という。  現在、予定されている公演もコロナの状況次第ではなくなるかもしれない中、西川代表は小学校などに自ら出向き公演実施を呼び掛けている。舞台と観客席の間隔を空けたり、児童を分散させるため一つの学校での公演数を増やしたりと、新たな見せ方を模索している。ある学校からは「行事も縮小されていく中、劇で子どもたちに感動を与えてほしい」と公演を求める声も寄せられた。  資金面では減収が約3千万円に上り、持続化給付金などでしのいでいる状況だ。苦境は続くが、劇団を応援してきた任意団体「風の子ひろば」が危機を救うための寄付を募り始めた。西川代表は「ありがたい。今後の活動の励みにもなる」と善意に奮い立つ。  自己表現の大切さなど、劇団の演目には子どもに向けたメッセージを込める。西川代表は「文化芸術は子どもの成長のために欠かせない。これまでの公演数には遠く及ばないが、子どもの日常を変えられる舞台をつくりたい」と目を輝かせた。公演に関する問い合わせは劇団風の子中部、電話058(215)7780。

岐阜新聞社

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