必ず起こる「巨大地震」に備えてじつは「何よりも大事」な「たったひとつの対策」
日本は自然災害が多い国として知られている。年間を通して、大地震、台風、洪水、土砂災害といった多種多様な災害に見舞われる。そうした状況下で、自然災害から自身の生命を守るため、我々が取るべき行動は何か。防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏に訊いた。 【画像】「南海トラフ巨大地震」で日本が衝撃的な有り様に…そのヤバすぎる被害規模
事後対策よりも事前対策
山村氏は「被災時には安全な場所に移動することが第一」と強調する。これは災害が発生した際の最優先行動である。人間は意外なほど被災地から離れない傾向があると指摘する。だが、特に災害弱者の場合、安全な場所に移動することがなによりも重要であると語る。 一方で、山村氏は「日本は事後対策にばかり注力しているが、本当にもっとも大事なことは事前の備え」であると言う。わけても大事なことは「安全な家に住む」ことであり、それが自分自身と家族の命を守るための最善策となる。 「安全な家」とは、浸水想定区域・土砂災害想定区域・津波被害の想定区域ではないことに加え、耐震耐火の基準を満たした建物のことだ。このような家に住むことにより、生命を守る確率が格段に高まる。 また、住む家の選択には、施工業者の選択も重要となる。2000年以降の耐震耐火基準を満たした家であっても、施工業者の手抜きが原因で建物の安全性が低下する可能性がある。そのため、施工業者を慎重に選ぶことが求められる。 山村氏は、家の選択に関するさらに具体的なアドバイスも述べている。マンションの場合、安全な場所に建てられていれば比較的安全であるとする。また、戸建てでも、地盤や地形を選んだ耐震性のある家ならば安全であると説明する。家の耐震診断、耐震改修と共に、一部屋だけ耐震の部屋にする部分的な耐震対策についても、自治体によっては補助金を出している所がある。ホームページなどで確認すべきと指摘する。 さらに安全な家を選ぶだけでなく、日々の生活における防災対策も重要だと山村氏は強調する。たとえば、寝室にはできるだけ物を置かないこと、またエアコンや照明器具などが堅固に設置さられているか、確認することも大切だとする またタワーマンションなどでは、通常よりもさらに一層の備蓄が必要となる。孤立を恐れるよりもむしろ、しっかりと「籠城」ができる準備をすることが推奨されている。 山村氏は、家族防災会議を開いて、具体的な対策を打ち合わせることも大切であると指摘する。防災対策はあくまで事前対策である。何かが起きてから対応するだけではなく、事前に準備をしておくことが最も重要なのだ。 これらは我々一人一人が生活の中で具体的にできる行動であり、自身の生命を守るための最も強力な手段となる。 さらに関連記事<「南海トラフ巨大地震」は必ず起きる…そのとき「日本中」を襲う「衝撃的な事態」>もぜひご覧ください。
山村 武彦