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天皇皇后の「コロナご進講」で見える「沈黙」のジレンマと現場への渇望

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BUSINESS INSIDER JAPAN

天皇陛下と雅子さまは8月15日、政府主催の「全国戦没者追悼式」に出席する。 お二人が皇居、赤坂御所の外に出られるのは、2月14日以来となる。この間、お二人は赤坂御所に外部の人を招いては、話を聞いていた。招かれた1人、NPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長はこう語る。 【全画像をみる】天皇皇后の「コロナご進講」で見える「沈黙」のジレンマと現場への渇望 「天皇陛下と雅子さまは、現場のことをすごくお知りになりたいのだと思いました」 7月21日に赤坂御所に行き、陛下と雅子さまに会った。一緒に行ったのはNPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークの栗林知絵子理事長、公益財団法人あすのばの小河光治代表理事、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)で、それぞれが貧困家庭の子どもたちを支援する活動を説明し、質問に答えた。1時間の予定が1時間半になった。 このように、外部の人が陛下と雅子さまに会い、何かを説明することを宮内庁用語では「ご進講」または「ご接見」という。コロナ禍のお二人にとって、これが唯一「外」につながる窓のようなものだ。外部の人と会う機会は、新任大使への「信任状捧呈式」など他にもあるが、あくまでも「儀式」。リアルなつながりを求めるお二人の気持ちの表れのように、「ご進講」「ご接見」が増えている。

平成とは異なる対等なスタイル

始まりは4月10日、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長を務めていた尾身茂氏による「ご進講」。 平成と違う、二つのことがあった。一つは、陛下と雅子さまが横並びに座り、お二人と尾身副座長との距離が同じだったこと。美智子さまが上皇陛下の後ろに控える平成のスタイルとは違い、令和のお二人の「対等性」が見えた。 以来、お二人はこのスタイルで「ご進講」「ご接見」を続けている。 もう一つは、この日の陛下の発言が宮内庁HPにアップされたこと。 「この度の感染症の拡大は、人類にとって大きな試練であり、我が国でも数多くの命が危険にさらされたり、多くの人々が様々な困難に直面したりしていることを深く案じています」 といった言葉が、ご進講から2週間以上経った4月28日に掲載された。 前例のないことだったが、続く5月、日本赤十字社の社長、副社長からの「ご進講」での発言も翌日にはHPにアップされ、お二人の言葉も並んだ。雅子さまの発言は陛下の半分ほどの長さだったが、「対等性」をより意識してのお二人の発言の掲載だったと想像する。 が、お二人のコロナ関連の発言が公になったのは、この2回だけ。4、5月は3回、6、7月は5回と「ご進講」「ご接見」の回数は増え、7月など5回すべてがコロナ関連のものだったが、HP上には会った相手の肩書が掲載されるだけだった。 日本中がコロナ禍に覆われている現状を思えば、陛下と雅子さまが国民に直接「メッセージ」を届けてもいいのでは。そう期待する声もある。

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