「母親になって後悔」学術書としては異例のヒット 世界中が共感した「あるべき姿の押しつけ」、一方で批判も
この本の読者は、タイトルからして女性が多いのかと思いきや、実は男性も多いそうだ。日本語版の出版を手がけた新潮社の編集者内山淳介さんは、インターネットの記事でこの本を知り、強く惹かれたと話す。「これまでにない視点の本。社会が、女性に背負わせているものの重さを解き明かすヒントになるのではないか」。一方で戸惑いもあった。「男性の自分が担当していいのだろうか」 それでも「こうした声があることを、多くの人に知ってほしい」との思いで出版にこぎ着けたところ、学術書としては異例のヒットとなった。 男性の読者からもこんな感想が寄せられた。「(子を持つ母の後悔や葛藤の存在について)本を読むまで、そんな思いがあるなんて想像もしていなかった。この本に出会えて良かった」 内山さんは「すべての社会が抱えている問題がこの本に描かれている。規範的な生き方以外のサンプルが少ない中、本を読んで楽になったり、生き方を考え直したりする人がいるのなら、嬉しく思います」と話している。