「飛ばすには危険過ぎる」ロケット カイロス2号機打上げ 15日に延期
テレビ和歌山
串本町の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」から、今日打上げられる予定だった小型ロケット「カイロス」2号機は、上空の風が強いとして打上げを延期しました。 ロケットの開発・運営会社のスペースワンは、明日改めて打上げを行うとしています。
小型ロケット「カイロス」2号機は、ロケットの開発・運営会社のスペースワンが串本町に設けた発射場「スペースポート紀伊」から、今日午前11時に打上げられる予定でしたが、上空の強い風の影響で延期されました。 発射場近くに設けられた公式の見学場、田原海水浴場には多くの人が集まり、地元の飲食店などによるブースも設けられるなど盛り上がりをみせていましたが、予定時刻のおよそ30分前に打上げの延期が発表されると会場にはどよめきが広がり、来場者からは落胆と共に次への期待の声が聞かれました。 スペースワンは午後、串本町のホテルに設けたプレスセンターで会見し、阿部耕三執行役員が打上げ延期の理由について説明しました。 それによりますと、午前10時20分に実施した打上げの最終判断の過程で、発射場上空の高度10キロメートル以上で風が強く、ロケットの打上げに適さないと判断したということです。 スペースワン株式会社 阿部耕三執行役員「ロケットは細長く、横からの加重に対して弱い。上空を飛んでいる時に、強い風が機体に当たり過ぎると機体が壊れてしまう恐れがある。大丈夫かどうかというのを、どんなロケットでも事前に最新の気象情報に基づいて解析し確認してから打つが、その過程で飛ばすには危険過ぎる、風が強過ぎると判断して中止した」 次の打上げは、明日午前11時に予定しているということで、阿部執行役員は「打上げを楽しみにしていた、たくさんの方々に申し訳なく思っている。思いに報いるためにも、明日の打上げに向けて全力で臨みたい」と話しました。
一方、岸本知事は打上げ中止を受けて次のように述べました。「天候の関係で打ち上げが延期されたということで、それは当然よくあること。JAXAの打ち上げにも行ったことがあるが、予定通り飛ぶのは2分の1、3分の1の確率だった。そういう意味ではどうってことはない。期待感が高まれば高まるほど、成功した時の喜びが増すのではないか」 小型ロケット「カイロス」は東京のベンチャー企業が開発。3月の初号機の打上げでは異常を検知し、ロケット自ら爆破の措置をとり、打上げは失敗しました。 それから9ヵ月。今回の2号機には台湾のものを含む5つの小型衛星が搭載され、打上げから1時間以内に、高度500キロの軌道に衛星を投入する予定です。 成功すれば、民間単独の打上げとしては国内初となるため、注目を集めています。
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