米政策金利、来年はピーク付けた後に0.5ポイント低下-債券市場想定
(ブルームバーグ): 米国の債券市場は29日、米政策金利が2023年のある時点で0.5ポイント引き下げられるとの想定にシフトした。リセッション(景気後退)で当局の積極的な金融引き締めが終了すると見込む取引が増えた。
市場のインフレ期待もガソリン価格とともに急低下した。また低調な株価を受け米国債に対する投資意欲が高まり、利回り曲線全体の重しとなった。
来年の米金融当局会合に注目したスワップでは、政策金利が23年12月までに3.08%付近になるとの市場の見方が示された。これは市場で示唆される23年3月のピーク(3.62%)を0.5ポイント余り下回る。来年以降に関するポジション変化は、3カ月物のユーロドル金利先物が22年12月限と23年12月限で0.5ポイントの逆転となっている状況と通じる。
米政策金利がピークに達する可能性やその後の利下げがいかに迅速に進むかをテーマとする市場取引がここ数週間に活発化した。消費者心理の悪化に加え、食品・エネルギー価格上昇の影響で景気が落ち込むとの警戒感が背景にある。市場の織り込む政策金利のピークが4%強から低下し、その後の利下げ期待も高まる中、米金利は今月半ばに急低下した。
アメリベット・セキュリティーズの米金利取引戦略責任者、グレゴリー・ファラネッロ氏は「金利の終着点は変動しやすいと考えていたし、これまでもそうだった」とした上で、「当局がどこで立ち止まるかは分からないと思う」と語った。
原題:
Bonds Move to Price In a Half-Point Cut After Fed Reaches Peak(抜粋)
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Michael Mackenzie, Elizabeth Stanton