昭和電工、20年のアルミ圧延品販売量は「コンデンサー箔」不振で13%減。21年、事業売却で3割減に
昭和電工の2020年のアルミ圧延品(板・押出・箔)の販売量は前年比12・5%減の4万2178トンだった。主力の電解コンデンサー用高純度箔が、需要業界の長期的な生産調整を受けて販売が大きく減少。さらに新型コロナウイルスの感染拡大で押出製品などの需要も停滞した。 品種別では、箔が12・6%減の2万3586トンだった。電解コンデンサー用高純度箔は7~9月期を底に長らく需要が低迷。10~12月期には回復感が出たものの、通期としては大幅な販売減だった。 押出類は12・3%減の1万2485トン。新型コロナウイルスの感染拡大によりFAやOA機器が振るわなかったほか、鉄道車両向けも案件の先送りなどが発生した。板類は12・5%減の6107トンだった。 21年販売計画は圧延品合計で29・6%減の2万9691トンと予想した。内訳は箔が48・3%減の1万2192トン、板類が48・0%減の3173トン、押出類が14・7%増の1万4326トン。箔と板類はアルミ圧延品事業の売却を予定していることから、上期数値のみを織り込み半減となる。押出類はコロナ禍によって販売が減少した20年からの反動などを受けて、19年並みの販売に戻ると見込んだ。 なお20年の売上高は802億円(部門内消去分マイナス83億円含む)。このうちアルミ圧延品が256億円(13・0%減)、加工品(アルミ缶、冷却器、鍛造品等)が605億円(19・4%減)だった。ショウティックなど鍛造品は自動車生産の急減を受けて低迷した。21年の売上高見通しは580億円(部門内消去分マイナス105億円含む)。アルミ圧延品は193億円、加工品は481億円とした。