理学療法士と落語家の二刀流、高齢者の事故防止へ「エアーリハビリ」の極意伝授
高齢者の交通事故が多発する中、交通安全に取り組む警察官や地域の人たちが防止策を学ぶ講演がこのほど、大津市の滋賀県庁で開かれた。理学療法士と落語家の二刀流で活躍する日向亭葵さん(56)=本名・繁岡秀俊=が講師を務め、運動機能の向上と交通安全の関係性などを笑いを交え、体も使いながら解説した。 県警交通企画課が企画し、大津市や近江八幡市など各地で活動する交通安全協会員や警察官らの約70人が参加した。 25日に開催された講演は「高齢者の交通事故は、日々の運動習慣で予防しよう」と題し、葵さんが高座に上がって高齢者が転倒しやすい場所や姿勢を保つ際に用いる筋肉などを解説した。 想像上のゴムチューブを手に持ち、引っ張る動きを日常的に取り入れるなど、道具や器具を使わずに想像力を用いて頭と体を鍛える「エアーリハビリ」も実演を交えて紹介した。参加者は葵さんの軽快な話術を楽しみながら理解を深めた。 県交通安全協会の上阪廣子会長は参加した会員に向けて「リハビリと落語を混ぜた楽しい交通安全を地元に持ち帰り、高齢者の事故を減らしてもらえたら」と話した。 県警によると、11月24日時点での、県内の交通事故死亡者数は25人(前年比14人減)。そのうち、高齢者は72%の18人(同2人増)を占めている。県内では8月と10月に2回、高齢者事故多発警報が出されている。