年金をもらう前に感じる不安と後悔 「若い頃にしておけばよかった」こと
新型コロナウイルス感染症の拡大で先行き不透明な日々が続いており、ワークスタイルや家計に不安を抱えている人が増えています。 昨年10月に、メットライフ生命保険が実施した老後に関する調査によると、新型コロナの感染拡大により「老後の不安が増えた」と回答した人は、48.7%と約半数にものぼりました。また、ステイホームの時間が増えて自分自身とより向き合えるようになり、老後のための資産形成・資産運用に興味を持ち始めた方も少なくないと思います。 そこで本記事では、老後のお金事情について、さまざまな調査をもとに深堀りしていきます。
公的年金の受給開始の平均年齢は、65歳未満⁉
2021年現在、公的年金の受給開始年齢は、原則として国民年金・厚生年金ともに65歳です。 昨年、株式会社ハルメクが55~79歳の女性839人を対象に、郵送アンケートにて実施した「年金とお金の使い方に関する意識調査」によると、公的年金を自分自身が受給している女性623人が、国民年金を受給し始めた平均年齢は63.1歳でした。 これは、通常65歳である受給開始年齢を繰り上げている方が少なくないということを意味しています。 厚生年金の受給開始年齢の平均も61.8歳となっていますが、これは厚生年金の受給開始年齢が段階的に引き上げられて今に至るため、受給開始年齢引き上げの移行期間中に受給した方が多いことが理由だと考えられます。 このように、受給開始年齢の平均が65歳を下回っているのは、自身の健康面や社会的な不安感から、「もらえるものは、もらえるうちにもらっておこう」という心理が働いているのかもしれません。
公的年金受給前の世帯は、老後のお金に対する不安が大きい
また、同調査にて「老後のお金に対する心配」について聞いたところ、「心配している」と回答したのは公的年金受給中の世帯だと12.5%であるのに対し、公的年金受給前の世帯では28.8%と、16.3ポイントの差が生まれました。 上記で「心配している」と回答した女性375人に対し、「老後のお金で心配な項目」について聞いたところ以下のような結果となっています。 1.介護費(78.1%) 2.医療費(62.9%) 3.生活費(36.8%) 4.夫の死後の年金年収(35.2%) 5.住宅リフォーム費(27.7%) やはり、個人の健康状態によって将来の出費額が変動する「介護費」と「医療費」に対する不安感が大きいことがわかります。