GWなのにコロナに原油高… 苦境の旅行業界 活路は…【WBS】
金曜日からは「ゴールデンウイーク」です。5月2日と6日も休めれば最大10連休となることから、旅行に出かける方もいらっしゃるのではないでしょうか。ただ、政府の観光支援事業「県民割」がこの期間は対象外となり、新型コロナの感染不安などもあって、旅行関連業者を取材すると、今年も厳しい状況だという声が聞かれます。さらに原油高による燃料費の高騰などもある中、何とか活路を見出そうとする企業を取材しました。 東京・北区のバス会社「東京バス」。その駐車場には稼働していないバスがずらりと並んでいました。東京大阪バスグループの西村晴成社長は「本来、今の時期はこんなにバスがあってはいけない。トップシーズンだが、バスが動いていないというのが現状」と嘆きます。 団体旅行向けの貸切バス事業がメインのこの会社では、コロナ禍3年目となった今年も状況は改善せず、売り上げはコロナ前の3割となっています。さらに西村社長は「コロナで稼動が少ない中、原油の高騰が非常に痛手」とバスの燃料代が高騰を続け、経営をさらに圧迫する事態となっていると話します。
愛犬と一緒に 航空会社が打ち出す新たな旅
旅行需要の低迷で苦境が続くのは航空業界も同じですが、その中で新たに動き出した企業もあります。 「お出かけをきっかけに、ワンちゃんとの生活をもっと楽しんでもらうことを目的に『GO WITH わんこ プロジェクト』を始動する」(ユニ・チャームの稲葉洋恵執行役員) 4月21日に発表されたのは福岡県を拠点するスターフライヤーとユニ・チャームなど3社による共同プロジェクト。主役は犬です。 「需要回復の傾向は見えてきたが、コロナ前の水準には戻っていない。アフターコロナを見据えれば新たなマーケットを拡大していかなくてはいけない」(スターフライヤーの堀口秀樹執行役員) 愛犬がいるために旅行を諦めてきた飼い主という、新たなお客さんの開拓に向けた今回のプロジェクト。羽田空港を出発し、福岡県と長崎県の観光名所を2泊3日でめぐるツアーで、道中の至るところに飼い主と愛犬が快適に過ごせる工夫が施されているといいます。 飛行機はスターフライヤーが用意するチャーター機で愛犬と一緒に搭乗可能。立ち寄った飲食店などでペットがおしっこをしてしまわないか不安を抱える人が多いことから、ユニ・チャームの犬用おむつを配るサービスもあります。またツアー中の移動に利用するリムジンバスでは1匹ごとに1席用意されます。 価格は愛犬1匹を連れた飼い主1人あたり19万9800円(4月25日までの申し込み限定、犬1匹と食事や観光料金含む)。まずは5月末に1回目のツアーを実施します。価格は普通のツアーより高めですが、需要はあると見込んでいます。 「コロナでペットを買う人が増えている傾向もあるので、気軽に旅行に行ってもらうことで新たな需要を開拓したい」(スターフライヤーの堀口執行役員) ※ワールドビジネスサテライト