「私は心を病んだ醜い悪魔」女子中学生2人に「性的暴行」で元校長が法廷で謝罪…専門家は「グルーミングあった」
●「本当に恋人になったような気でいた」
その後、被告人は証言台で当時、Aさんに抱いていた思いを語った。 「Aさんはとても優秀で、努力家の生徒でした。いつもにこやかでまわりから信頼される方でした。本当に申し訳ないのですが、Aさんに身勝手にも好意をつのらせてしまい、ケダモノのような行為に及んでしまって…」 被告人は、部活後に「マッサージをしてあげる」などと言ってAさんを自ら使用していた理科準備室に呼び出し、身体を触り、性的行為をエスカレートさせていった。 Aさんは11月20日の公判で、「最初はよくわからず、こんなことをするのかと思った記憶があります。(何をされているのか)理解できていませんでした」「すごく嫌でした」と証言している。 被告人はAさんにとって学年主任であり、理科の教科担当であり、部活の顧問でもあった。毎日のように関わり、目をかけていたはずの生徒に対して、なぜ性的暴行を加えたのか。 被告人は自ら「認知の歪みがあった」として、「いつもにこやかだったので、Aさんが嫌がっていることに気づきませんでした」「中学生相手に本当に恋人になってしまったような気でいました」と述べた。 中学生だったAさんが性的な行為を受けて、抵抗することが難しいと考えなかったのかと問われ、被告人は「思いもよりませんでした」とも答えた。
●「援助交際を知り、中学生も性的対象になると…」
検察官らによると、犯行時の動画には、Aさんがうめき声を上げたり、泣いたりしている様子も残されていたという。 犯行には本来、皮膚に直接使用しないようメーカーが注意をしている電動マッサージ機が多用されていた。11月27日に開かれた公判の証人尋問では、医師が法医学の見地から、こうしたものの刺激により、Aさんが数日から1週間程度のけがを負ったと説明している。 Aさんが苦痛に感じている様子を見ても、被告人は「痛いということに気づいてませんでした。喜んでいるのかと思っていました」と当時の認識について話した。 なぜそう認識してしまったのか。犯行に及ぶ際、被告人はアダルトビデオを参考にしていたと述べた。 「女性との交際経験が少なく、アダルトビデオが自分の知識のすべてになっていました。リテラシーが低かった」 また、なぜ中学生を性愛の対象にしたのかについて、被告人はこう答えた。 「当時、性非行の問題に教員として直接、対応していました。また、社会的にも援助交際が問題になっていて、中学生も性の対象になるんだという認知の歪みができてしまいました」