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外出自粛中の女優・可知寛子さん、突如ネットで大ブレイク きっかけは城田優さん「感謝しています」

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 新型コロナウイルスの影響により、全国で舞台公演が中止となったこの春。外出自粛中だったミュージカル女優・可知寛子さんが突如、ネット上で大ブレイクしました。iPhoneひとつでデザインしたオリジナルグッズは1時間で即完売。俳優の城田優さんが「やっぱり向いてるわ」と太鼓判を押したユーチューブ動画は、開始2カ月で登録ファン数が激増。逆境の中、自宅をステージに活躍する可知さんの魅力に迫ってみました。 【写真】可知寛子さんのユーチューブ…ええっ、なにこの弾け方、なんか写真のイメージと違う!? ■英文と思いきや…  ネット上で話題となったグッズとは「筋金入りのミュージカルファンのためのトートバッグ」。表面には、数種類のフォントがセンスよく組み合わせられた英文が。よく読むと…。  <Anata KOREWO yonde imasune YOKUKIZUKI MASHITA NE Tokorode ANATA MUSICAL MITAKOTO arimasuka JITSUWA WATASHI SU-JI-GA-NE-I-RI no MUSICAL FAN MUSICAL wa meccha iiyo TICKET no TORIKATA wa GUGUTTE KUDASAI>  やぼを承知で“翻訳”すると…。  <あなたこれを読んでいますね よく気づきましたね ところであなたミュージカルみたことありますか 実は私 筋金入りのミュージカルファン ミュージカルはめっちゃいいよ チケットの取り方は ググってください>  まさかのローマ字。このセンス、一体…! 作者の可知さんに話を聞いてみました。 ■軽い気持ちが…1時間で完売  ーグッズが話題です。ツイッターでもバズっています。  「もともと『#見るだけ物販』というタグを付け、こんなグッズがあったら私だったらクスッとくるなと軽い気持ちでツイッターに投稿していたものを商品化しました」  ー文章のセンスがとても光っています。  「私のグッズは本人が楽しめるだけでなく、ミュージカルファン以外の人に見せびらかしても恥ずかしくない、一緒に楽しんでもらえるものにしたいなと思ってこのようなデザインにしました」  ーデザインの中に可知さんのお名前が入っていません。  「そもそも私の名前が入ったグッズなんて、私だったら欲しくないなと客観的なミュージカルファンの私が言っていたので(笑)。私を応援するという目的で買っていただくグッズではなく、単純に欲しいから買うグッズとして販売したかったというのがあります」  ー思わぬ出来事もあったそうですね。  「先日、グッズのトートバッグを持って久々に外出したら、めずらしく街で『可知さんだ!』と声を掛けられました。ミュージカルではかなり激しめの舞台メイクをしているので、私の素顔を認識できない方がほとんどだと思うのですが、あらためて私そのものを飛び越えて、このグッズが皆様に認知されていてすごい!うれしいな!と思いました」  ートートバッグやTシャツ、ポーチなど全9種類が即完売だったのだとか。  「私自身、ファンクラブもなければ物販をしたこともありませんでした。多過ぎるかと心配になりながら、各商品50ー100個くらいを用意して販売してみたのですが、開始1時間くらいで売り切れになってしまって。その後、予約販売という形にして受注を開始すると、約1週間でトータル1500個くらいの予約をいただきました」 ■荷物を背負ってコンビニへ  ー1500個の発送作業はおひとりで?  「自宅で全て1人で作業しました。ほぼ1日中作業をして、発送完了に2週間かかりました。当初、発送は集荷でお願いする予定だったのですが、コロナの影響で配送会社さんも大変そうで…。1日100個とか集荷してもらうのが申し訳なく、自分で荷物を背負って、近くのコンビニに発送しに行くこともありました。大変でしたが梱包のコツを掴むとリズミカルになってきて。意外と楽しかったです」  ー生活スペースの確保が難しかったとか。  「一人暮らしの部屋中がグッズと梱包材でいっぱいになってしまって。ご飯を食べる場所がなくなるほどだったので、梱包作業そのものより、そっちの方がキツかったです(笑)」 ■城田優さんが背中を押してくれた  同時期に始めたユーチューブチャンネル「魅惑のかちひろこ」でもセンスの良さを爆発させる可知さん。企画や撮影、編集全てをひとりで行います。機材はiPhoneひとつというのも驚きです。  実は、可知さんにユーチューブをすすめたのは俳優の城田優さんでした。  「優くんとは過去に3回ほど共演しています。直近では昨年末、優くんが演出と主演を務めた『ファントム』です。コロナ前、私自身がめちゃくちゃアナログ人間でパソコンも使えないし、動画編集なんてやったこともありませんでした。優くんが『向いているから』と背中を押してくれなければ始めていなかったです。すごく感謝しています」(可知さん)  城田さんの先見の明は大当たり。可知さんは、1人6役に扮して人気曲「白日」を歌い上げたり、ラジオ体操第一の替え歌でミュージカルを披露したり。また、ミュージカル界ならではの特殊バイトを紹介したり、女優が使う謎グッズ10選も披露。プロの本気のテンションは、息をするのも忘れて見入るほどの迫力。城田さんが自身のツイッターで「やっぱり向いてるわ。チャンネル登録しなきゃ」と太鼓判を押すのも納得です。 ■あふれるミュージカル愛  ー物販やユーチューブをきっかけに、「生の可知さんを舞台で見てみたい!」という人も増えたと思います。  「今までミュージカルの仕事を重ねてきて、年齢的にも現状維持のような守りの姿勢を続けてきた自分にとって、SNSでの発信に限らず、今から新しい事をどんどん始めても全然遅くないんだ、もっともっと自分が挑戦したいことに貪欲でいいんだ、と気づかせてもらうことができました。今まで以上に多くの方に名前や存在を知っていただいた以上、舞台では一体どんな!?という期待もあることを受け止めて、さらにミュージカルへのやる気が湧いています」  「今後舞台をご観劇の際には、ステージのメインの役者だけでなく、私のようなアンサンブルの俳優や作り手スタッフ、現場のスタッフなど、ミュージカルを作っている数多くの人たちにも注目していただき、さまざまな視点からも、ミュージカルを観に行くということを楽しんでいただけるようになるとうれしいです」 ■家族全員が医療従事者  ーご家族全員が医療従事者。今回の行動に影響や関係はあるのでしょうか。  「直接的には関係はないかもしれませんが、そもそも自分のスタンスそのものに大きな影響を与えてくれています。私の家族は今回のコロナの事態に関わらず、普段の生活の中でも自分が医療に関わる仕事に就いていることに対して『すごいことをしている!』というニュアンスでいたことが一度もありませんでした。私から見たら、人の命を救ったり、癒したり、ものすごく尊い仕事をしているという認識なんですが、当の本人たちは全くそういう素振りを見せないんですね」  「ミュージカル女優を目指していた頃って、ミュージカルの仕事が出来ることは特別で、ミュージカルを通して、私が皆さんに愛や勇気や感動や癒しを与える!誰かの人生を変えてやろう!みたいなおこがましい考えをしていたことがあるんです。でも今の自分はそれは違うなと思っていて、ミュージカルの仕事をすることも、その姿をSNSで発信することも、決して特別な仕事でも行動でもなく、自身が勝手に熱中して取り組んでいることを等身大の状態で発信していたら少しずついろんな方が面白いなと言ってくれるようになった感じです」  「今回のコロナの事態においても、演劇人として傷ついた人々の心を癒そうとか、エールを送ろうみたいな気持ちでこういった行動をしているわけではなく、緊急事態においての演劇の無力感も素直に認めて、自分が家で出来る表現を形を変えてあれこれ一生懸命やっていたら、たくさんの反響をいただけて、素直にうれしく思っています」 ■再販予定「あります」  気になるのがグッズの追加販売。今後、予定はあるのでしょうか。  「一部の商品になりますが、7月に再販の予定です。今度は自宅ではなく所属事務所で作業していいと許可をもらったので、自宅で座ってご飯が食べられそうです(笑)」(可知さん) 【可知寛子(かちひろこ)】1984年6月26日、静岡県生まれ。大阪芸術大学ミュージカルコースを卒業後、「ミス・サイゴン」や「エリザベート」、「天保十二年のシェイクスピア」など数々の舞台に出演。6-7月の全公演が中止となった渡辺直美さん主演「ヘアスプレー」では、初めて自身の役名がチラシに掲載された記念作だった。最新情報や物販再販の予定などは、ツイッターアカウント(@Kachi_de_Gesu)で。 (まいどなニュース/神戸新聞・金井 かおる)

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