天才的な野球センス…短期決戦で目覚ましい成長見せた「DeNAの若手成長株」は
CS、日本シリーズで打率3割超
レギュラーシーズン3位から下克上で日本一に輝いたDeNA。11月30日に横浜市内で行われた記念パレードでは三浦大輔監督、選手たちがオープンカーやオープンバスに乗り、沿道に詰めかけた約30万人に手を振って歓声に応えた。 【選手データ】森敬斗 プロフィール・通算成績 この短期決戦で、成長の跡を見せたのが遊撃の森敬斗だった。クライマックスシリーズ(CS)は計8試合で26打数8安打、打率.307をマーク。時折見せるポカが定位置をつかみきれない要因になっていたが、この短期決戦では逆境を乗り越える気持ちの強さを見せた。3勝3敗(リーグ優勝を飾った巨人は1勝分のアドバンテージを含む)で迎えたファイナルステージ第6戦(東京ドーム)では初回に自身の悪送球で先制点を許したが、5回に右中間へ適時三塁打で試合の流れを変えて同点に追いついた。そして、9回に二塁走者で値千金の走塁を見せる。一死二塁で桑原将志の三ゴロで、坂本勇人が一塁送球の際に三塁を陥れた。二死三塁と好機を広げたことで相手バッテリーの配球、守備陣形が変化して得点が入る可能性が高まる。牧秀悟の左前適時打で決勝点の本塁生還。大一番を制した。 ソフトバンクと対戦した日本シリーズでも全6試合に遊撃でフル出場し、20打数6安打、打率.300をマーク。第6戦(横浜)では2回に右越え二塁打で好機を拡大して桑原の2点左前適時打を呼び込むと、3回は二死満塁の好機で有原航平のカットボールをきっちり見極めて押し出し四球。4点差に突き放した。短期決戦での働きぶりは頼もしく、日本一に大きく貢献した。 昨年は左鼻骨骨折、右手有鈎骨骨折など故障に泣かされて9試合出場のみ。今年も開幕を二軍で迎えて5月10日に一軍昇格したが、打撃の状態が上がらず際立ったインパクトを残せなかった。8月2日に登録抹消され、9月7日に再昇格すると、野性味あふれるプレースタイルで躍動する。9月以降の成績は62打数20安打、打率.323をマーク。遊撃の守備でミスを犯すときがあったが、そのままパフォーマンスが落ちる以前のような姿はない。気持ちを切り替えて試合に集中し、結果で取り返した。