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学生時代にいなかった「嫌な人」が、社会に出ると増えるのはなぜか?

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PHPオンライン衆知

慶應義塾大学大学院の前野隆司教授は、ロボットの「心」の研究から「幸福学」研究へと転身し、「幸せ」という形のないものに対して科学的なアプローチを通して、そのメカニズムを明らかにすべく研究に勤しむ科学者である。 そんな前野氏が新著『7日間で「幸せになる」授業』にて、科学的に導き出した誰もが自分で幸せになれる心のベースの作り方を明かしているが、そのなかで「善人だけの社会が成立するのか」について考察している。本稿では同書よりその一節を紹介する。 ※本稿は前野隆司著『7日間で「幸せになる」授業』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです。

善人だけでは社会が成立しない、は本当なのか?

私は理系の職場から文理融合の大学院に移り、幸福学という新しい分野を立ち上げました。その理由の一つは、幸せのメカニズムを明らかにしたかったからです。 曖昧で抽象的だった幸せという概念を、科学の世界に落とし込んでいきたい。人が幸せになるための考え方や手法を解き明かすことによって、より多くの人々を幸せにしたい。世界中の人たちが幸せな世界をつくりたい、世界平和を実現したい。これらが動機です。 あまりにも壮大で宗教のようだと思う人もいるでしょう。しかし、私は、一人の科学者として極めてまじめに考えているのです。想像してみてください。もしも世界中の人々が幸福感に溢れていたら。 そこに無意味な争いは起きません。みんなが利他の心をもっていたら。そこには平和な空気が自然と生まれます。壮大でもなんでもありません。子供でもわかる、純粋で当たり前のことです。 しかし、これまでの長い人類の歴史において、そんな平和を実現させた国や地域は存在しません。常にどこかで誰かが争っている。人間は、何千年も何万年もの間、大きな視点で考えることをついつい忘れた結果として、幸せな世界をつくりそびれてきたのではないでしょうか。 世の中のすべての人が善人、つまりいい人であれば、その世界は平和なものになるでしょう。そんなことはあり得ないと言う人もいるでしょう。 あるいは、すべての人が善人という社会は成立しないと言う人もいます。一定数の悪人がいるからこそ、社会というものは成立しているのだと。善人ばかりの社会などぬるま湯に浸かったような面白味のない世界だと。 私はそうは思いません。みんなが善人で、しかもみんながみんなのために生き生きとやる気をもって生きる世界をありありと想像できます。想像できることは実現できるはずです。

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