下北沢にミニシアター「K2」誕生!雑誌創刊やファンコミュニティーで新たな映画館目指す
小劇場にライブハウス、雑貨や古着、飲食店など個性的なお店が並び、英「タイムアウト」による「世界で最もクールな街」にも選出される「下北沢」。そんな下北沢に20日、新たなミニシアターとして「シモキタ-エキマエ-シネマ『K2(ケーツー)』」がオープンする。老舗ミニシアター「岩波ホール」の閉館が決定するなど、コロナ禍で映画館ビジネスが苦境に立たされる今、なぜミニシアターを設立するのか? 事前に行われた内覧会よりその思いに迫る。 【写真】座り心地を追求したコトブキ社製シネマシートを導入 ◆ ◆ ◆
小田急線「東北沢駅」から「世田谷代田駅」間の地下化に伴い、全長約1.7kmに及ぶ線路跡地の開発で生まれたエリア「下北線路街」。今回、駅2階の商業施設「シモキタエキウエ」にも直結する複合施設「(tefu)lounge(テフラウンジ)」がオープンし、その2階に誕生するミニシアターが「K2」である。「K2」の名前の由来は、カラコルム山脈にある世界最高峰のひとつ「K2」と、同館の住所「北沢2丁目」をかけているという。 内覧会の冒頭では、地元の人びとが出演するマナームービーに続き、同館の名前にちなんで昨年フィルムを修復したばかりの1954年のイタリアの短篇ドキュメンタリー映画『PreludioAlpinoal K2(K2へのアルプスでの序曲)』が上映された。 同館を運営するIncLine(インクライン)について、株式会社Motion Galleryの大高健志代表は「濱口竜介監督の映画『ハッピーアワー』のために集まったIT関係の5社のLLP(有限責任事業組合)で、『スパイの妻』『偶然と想像』『鈴木さん』をはじめとする映画やアートの企画プロデュースを行っています。今回はIncLineとして映画館を作ることになりました」と説明。 今、この時期に映画館を運営する理由を「もともとお話があったのは2019年。小田急電鉄が開発する下北線路街の一環として、街にミニシアターを作りたいというのが小田急さんの意向でした。いろいろなカルチャーが溶け込み、住民に愛される下北沢を構成する要素のひとつとして、ミニシアターが必要なんじゃないか。街の人が気軽に見に来て、街に溶け込んでいく映画館がどうやったらできるのか、という相談を受けていた」と語る。 その後、新型コロナウイルスがまん延し、Motion Galleryとしてクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」を立ち上げる中でも、小田急側の文化施設がある街づくりの重要性やミニシアターを作ってほしいとの思いは変わらなかったという。