童画家の武井武雄「幻想の世界へようこそ」 生誕130年記念、東京皮切りに全国巡回展 版画や「刊本作品」も
出身地の長野県岡谷市や作品収蔵のイルフ童画館
長野県岡谷市出身の童画家武井武雄(1894~1983年)の生誕130年を記念した全国巡回展が6日、東京の目黒区美術館を皮切りに始まる。公立美術館を巡回し、子どもたちに夢を与える「童画」や版画、装丁を含む本全体を芸術作品と捉えた「刊本作品」など、多方面にわたる武井の芸術世界を発信する。 【写真】武井の代表作の一つ「星曜日(ほしようび)」(イルフ童画館提供) 全国巡回展は2014、15年に武井の生誕120年を記念して行われて以来となる。岡谷市や各美術館などが主催し、武井作品の展示や調査研究を行っている岡谷市イルフ童画館が所蔵作品を貸し出すなど全面協力した。 5日は目黒区美術館で「幻想の世界へようこそ」と名付けた展示の内覧会を開催。式典に訪れた岡谷市の早出一真市長は「武井の想像力、奥深い技術、繊細なタッチを見てほしい」とあいさつ。イルフ童画館の山岸吉郎館長(70)は「マルチアーティストとしての武井を堪能できる」と鑑賞を呼びかけた。 展示は8月25日までで、武井が手がけた各ジャンルを網羅する約300点を紹介している。学芸員の重田正恵さん(39)は「武井は今に至る日本の児童文化の礎(いしずえ)をつくった一人」と話した。
続いて金沢市、愛知県一宮市へ
巡回展は続いて石川県立美術館(金沢市、9月7日~10月6日)や一宮市三岸節子記念美術館(愛知県一宮市、10月12日~11月24日)などで行われる。