「スヘルデクロス」の愛称で知られるコースの見どころはフィニッシュライン手前の長い長い砂地獄【シクロクロス2024/25 WC第1戦 アントウェルペン:プレビュー】
もちろんロードレースファンにとって最も気になるのは、「ビッグ3」の動向だろう。世界選3勝ワウト・ファンアールト(ベルギー)は、「シクロクロスの現場で僕の姿が見られるのは間違いない」と公言。ヴィスマ・リースアバイクの合宿が12月19日に終了した後、クリスマス前後からの転戦開始が予想されている。この夏にマウンテンバイクで五輪2連覇を成し遂げたトム・ピドコック(イギリス)は、「現時点では出場なし」と休息を優先させた。「でも可能性は残されている」と、やはりクリスマスから新年にかけての参戦をほのめかす。
肝心のマチュー・ファンデルプール(オランダ)に関してだけは……11月22日現在、まったくもって先行き不明。昨冬はまさに無双状態で、楽々とシクロクロスエリートで6枚目のアルカンシェルを身にまとったが、来年2月2日にもしも史上最多タイ7勝目を獲りに行くつもりなら、どこかの時点で必ずワールドカップを走りに来る。
つまり今回のワールドカップ初戦には、残念ながら、アントワープ近郊で生まれ育ったマチューとワウトは欠席する。しかも過去8大会は2人が栄光を独占してきたから──マチュー優勝7回&2位1回、ワウト優勝1回&2位5回──、なんと完全なる新しいチャンピオンが誕生するという!
「スヘルデクロス」の愛称で知られる今大会のコースは、今年もスヘルデ川左岸シント・アンナ・ビーチに引かれた。見どころはフィニッシュライン直前に現れる、長い長い長い砂地獄。深い轍に車輪を取られてしまわぬよう、巧みなハンドルさばきが求められる。幸いにも天気予報は曇りながら、前日まで雨続きだから、重めの馬場になりそう。週半ばには真冬並みの寒波に襲われたが、レース当日の日曜日は、逆に季節外れの暑さに見舞われるとのこと。
ちなみに来年には川岸の工事が施工されるため、どうやらコース越しに広がる現在の風景は、今回で見納めなんだとか。
文:宮本あさか
宮本 あさか
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