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患者の細胞で乳房再建 富山大付属病院、傷痕残らず体の負担小さく

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北日本新聞

 富山大付属病院は21日、再生医療を応用し、乳がんで失われた乳房を再建する先端治療に成功したと発表した。患者の脂肪から取り出した「脂肪幹細胞」を培養し、自分の脂肪と混ぜて注入する新たな手法で、傷痕が残らない上、体への負担が小さく、日帰りもできるという。この治療に成功した医療機関は国内で2番目。  治療を実施したのは、同病院の乳がん先端治療・乳房再建センターの佐武利彦副センター長ら。同センターは、乳がん治療に特化し、検査から手術、術後のケアまで最新の治療を提供するため2月に設立した。  今回の手法は、患者自身の脂肪を採取し、胸部に注入する脂肪注入法の応用。患者の体の少量の脂肪から、新しい脂肪細胞をつくり出す働きのある幹細胞を取り出して培養。その後、患者から採取した新鮮な脂肪と混ぜて注射器で胸部に移植する。1年半程度かけ、2~3回程度、脂肪注入を繰り返す。  痩せ気味で脂肪が少なかったり、放射線治療で皮膚が傷んでいたりして、従来の脂肪注入法が難しかった患者への新たな治療法となる。自分の脂肪のため、移植組織が機能している確率を示す「生着率」も高くなり、日帰りの手術が可能なこともメリット。ただ、保険適用がなく、自費診療で行われる。

 今回治療を受けた患者は県内の40代女性で、痩せていて脂肪が少なかった。6月に初回の注入を実施し、経過は順調という。  佐武副センター長は同病院で記者会見し、「患者の選択肢が広がる。まだ乳房再建ができていない患者を救う道にもなる」と語った。(藤田愛夏)

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