“執事”が明かす、超富裕層たちの買い物事情。「実物を見ずに数千万円のブランドものを購入」「トランクルームを8個借りている人も」
「カルピスを2時間以内に500本用意してくれ」
超富裕層ならではの「買いすぎ」エピソードは、他にもあるそうだ。 「日本に来られたヨーロッパの方が『こんなに甘酸っぱい飲み物は本国にはない!』と、カルピスウォーターにひどく感動したんです。そこで『カルピスウォーターを出発までの2時間以内に500本用意してくれ』と仰り、私たちは必死になって街中で買い占めました」 そんなにたくさん積んでしまうと、飛行機の荷物検査で引っかかりはしないのだろうか。 「彼らは民間航空機ではなくて、プライベートジェットを使います。プライベートジェットだとテロが起こるリスクが少ないため、荷物のチェックがそこまで厳重ではないんです」
プライベートジェットを使うのは「民間航空機のハイジャックや襲われるのを防ぐため」
ちなみに「彼らがプライベートジェットを好む理由は、他にもあります」と新井さんは続ける。 「一つ目はビジネスの関係です。超富裕層の世界では『交渉は時間を切られた方が負け』と言われています。動く金額がとてつもないので、彼らは交渉にものすごく神経を使うんです。民間航空機だと飛行機の時間を気にしなくてはなりませんが、プライベートジェットならいくらでも変更できます。 二つ目はペットを連れて行けることです。一部の航空会社を除いて、ペットは貨物になってしまいますが、プライベートジェットなら犬や猫と客室で一緒に移動できます」 ただし、プライベートジェットを使う理由は、前向きなものばかりではないという。 「世界の大富豪やVIPとなると、搭乗している飛行機を知られることがリスクになるんです。民間航空機だとハイジャックやテロにあうかもしれないし、空港で待ち伏せされて襲われるかもしれません。 超富裕層は、生きているだけで恨みを買っています。上場企業の経営者なら、社員の家族から『心を病んで退職させられた。社長を許さない!』という怒りを、知らないところで買っているかもしれません。そんななかでプライベートジェットなら、身の安全を確保できるというわけです」 ――好きなものを好きなだけ買える超富裕層だが、整理整頓だけでなくリスク管理も大変そうだ。どの層にも、相応の悩みがあるのかもしれない。 <取材・文/綾部まと> ―[超富裕層の生活]― 【綾部まと】 ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother
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