編集部の気ままにインプレッション「ラルフ ローレン RL67サファリ」
デザインはとてもマッシヴだ。6つのビスで留められた肉厚のベゼルと、同じくラグとブレスレットの装着部はビスで固定されている。RLのロゴが入ったスクリュウロック式のリュウズは、ケースのサイズに比してやや大きめだ。ヘッドがやや重いため装着した際にある程度の重量感は感じるが、厚みが10.40mmに抑えられているので、ストレスを感じることはない。
文字盤の出来はすこぶる良い。限りなく黒に近いマットなチャコールグレーのため飛び抜けて際立っているわけではないが、アズラージュ(同心円状の刻み)装飾は、この時計の高級時計ならではのアクセントをつけている。インデックスは肉厚のアラビア数字。6と12を大きくデフォルメしたデザインはもうすっかりおなじみだ。ブランドロゴとCHRONOMETERの表記を小さく6時上に置いたのは見識である。インデックスと同じベージュの蓄光塗料を施した時分針は暗所での視認性も抜群。とりわけ素晴らしいのは、オレンジ色のセンターセコンドだろう。このオレンジはシャイニーエナメルと呼ばれ、発色がとても良い。まさにクロノメーターを謳うにふさわしい。全体にダークなイメージが強い全体のイメージを、この秒針が軽やかにしている。
約2週間の着用では、ケースとブレスレットの経年変化を楽しむ余裕はないし、もとより大切なリース品なので、傷などつけるのは論外だ。しかし、この「RL67サファリ エイジング ブレスレット 39MM」は、少々の小傷がついた方がサマになるかもしれない。何より、「RL67 サファリ」シリーズの原点は、ラルフ・ローレン氏が長年愛用していた1980年代製のポルシェ・デザイン by オルフィナのヴィンテージクロノグラフのブラックPVD加工がところどころ剥がれ落ちている風合いを彼が気に入り、同じような質感のケースを作ろうと思い立ったのが出発点なのだから。