長野県塩尻市木曽平沢の宿泊交流施設・日々別荘の人気上昇中
長野県塩尻市木曽平沢の宿泊可能な多機能型コミュニティー施設・日々別荘の利用が好調だ。昭和初期の趣のある建物1棟を一日独占して使えることなどが人気で、外国人の宿泊が多い。営業開始4年目となる本年度の宿泊者数は3月末までに約400人となる見通しだ。 オープンした令和3年度は141人、4年度は287人、昨年度は391人と順調に数を伸ばしてきた。しおじり街元気カンパニーが運営し、「年間400人が無理なく受け入れられる範囲」という。海外からの観光客が大半で、欧米の人たちが目立つ。宿泊日数は1泊が多いが、昨年度に比べ連泊(2~4泊)も増えた。外国人観光客は中山道を歩くのを楽しみに来る人、日本人は建築や日本文化が好きな人が訪れる。利用者からは「時計やテレビがなくデジタルデトックスできる」との声もあった。 1棟貸しはインターネットの宿泊予約サイトで受け付け、曜日により2万4000円~2万8000円(2人まで)で、1人増えるごとに3500円が宿泊料金として追加される。営業期間は3月~12月初旬とし、冬季は休館としている。宿泊以外ではイベント、カフェを兼ねた私設案内所の機能も果たし、管理人が木曽平沢の漆工町を案内したり、移住相談に応じたりする。宿泊以外の利用も年間300~400人程度ある。 施設管理を担う「店主」の近藤沙紀さん(31)は「この場所で生活しているような、ひとときの住人の感覚を味わってほしい」と話す。来年度は漆器セットを用意して滞在中に試せるようにする考えで、近藤さんは「漆工町の特産である工芸に触れるきっかけづくりに努めたい」とする。
市民タイムス