篠原涼子長男の警察トラブルは “危機感のなさと鈍さ” 「ヤバい二世」への転落から守る大人の役目
「人の倍は努力せなあかんで」
二世ウリが時代に合っていないことに加え、二世自身にも生育環境由来の欠落している部分があると思います。タレント・IMALUは『しくじり先生 俺みたいになるな!! 3時間スペシャル』(テレビ朝日系)に「親の七光りを1年で使いきっちゃった先生」、キングオブ二世タレントとして出演。 IMALUと言えば、父親は明石家さんま、母親は大竹しのぶという超大物ですが、芸能界入りをさんまに報告すると「一生懸命頑張ってきている人の中に、おまえは親の名前で入るわけやから、人の倍は努力せなあかんで」と声をかけたそうです。オーディションに合格するなどの正統派ルートでデビューにこぎつけた人よりもチカラがないのだから、その分がんばれという意味だと私は理解しました。さんまはIMALUのことはもちろん娘として愛しているけれども、デビューした時点での芸能人としての実力はそれほどでもないと判断していたのではないでしょうか。そして、そのさんまの見立ては当たっていたようです。 IMALUはデビュー1年目にして、ファッションモデル、女優(連続ドラマ)、CM、バラエティー番組のアシスタント、歌手など、売れっ子芸能人のみが手にできる仕事に恵まれます。しかし、結果を出すことが出来ず、仕事を維持することができなかったそうです。こんなことになったら落ち込みそうなものですが、周囲の人が親に遠慮して誰も注意してくれなかったため、IMALU自身に「私、ヤバいかも」という意識はなかったのだそう。さらに父親のコネがだめなら母親のコネとばかりに、仕事が舞い込むために危機感がまるでなかったと言います。 洋の東西を問わず、どんな大物芸能人も最初から売れたという人はおらず、下積みを経験しています。そういう日々の中で、彼らは自分の見せ方を変えたり、社会的な立ち回りも習得して「選ばれる人」になるべく努力していくことでしょう。今はテレビ局がコンプライアンスを強化していますから、テレビに出たい人は不倫や警察沙汰など、不道徳に聞こえることは全力で避けるのではないでしょうか。未成年のことですし、事件化していないことを深堀りするつもりはありませんが、芸能活動をしていながら、市村優汰がこういうことをやらかしてしまうのは、IMALU同様、二世特有の危機感の無さ、鈍さだと思うのです。 二世のリスクについて、ある大物芸能人がこんなふうに言っていました。ONE OK ROCKのボーカル・Takaのお父さんは演歌界の大御所・森進一、お母さんは森昌子さんです。昌子さんはすでに引退されていますが、国民的な演歌歌手でした。その昌子さんの著作『母親力 「息子を飯が食える男」に育てる』(SB新書)によると、Takaが音楽をやりたいと言い出した時、両親そろって大反対したそうです。 その理由は「いいこともありますが、悩みや苦労はその何十倍もあります」「周囲からは、親の七光りだと絶対に言われる。それで間違った方向に行く子も大勢いる。長男がそうなってしまってからでは、とり返しがつかない」からだそうです。二世としてデビューすることは、親の七光りという揶揄を受け入れ、悪いとりまきをはねのけ、売れてからも悩みを抱えることを覚悟するという相当強いメンタルが必要ということでしょう。芸能界の頂点を極めた人だけに、かなり重みのある言葉だと言えるのではないでしょうか。