ハースF1小松礼雄代表、当初の“最下位争い予想”を裏切る好成績も謙虚な姿勢。楽観視は「愚かか傲慢」
今シーズン開幕前は否定的な予想をしていたハースF1の小松礼雄代表は、仮により楽観的な見通しを話していたら「愚かか傲慢」だったと語った。 【動画】ブラピ主演映画『F1』公式ティザー映像 ハースは昨年、特にニコ・ヒュルケンベルグが予選で力強い結果を残していたものの、決勝レースではリヤタイヤのデグラデーション(性能劣化)が足かせとなり、しばしば順位を落としていた。 ハースは更に、昨年のアメリカGPで行なったアップデートで後退。シーズンオフ中の1月には、F1チーム創設以来チーム代表を務めてきたギュンター・シュタイナーが退陣し、小松が代表に就任した。 そしてその小松代表は今年の開幕戦バーレーンGPを前に、ハースがグリッド最後列を占めると予想していた。 しかしハースはここまで、予想とは反対のシーズンを送ってきた。ライバルチームがスロースタートを切り、ヒュルケンベルグが2度の6位フィニッシュをチームに届けたこともあり、ハースはサマーブレイク時点でコンストラクターズランキング7番手。ひとつ上のRBまで7ポイント差という状況だ。 小松代表は、シーズン前のコメントが意図的な言い逃れだったということを否定した上で、motorsport.comに次のように説明した。 「正直なところ、冬の間にどれだけ改善されたかは分かっていました」 「我々がどれだけ小規模か知っているはずです。(マシン開発を)どれだけ遅くスタートしたのか、オースティンのアップデートでどれだけの時間を無駄にしたのかも分かっています」 「だから少なくとも、同じリソース、もしくは3倍のリソースを持つ他チームが、我々と同じくらい良い仕事をするということを想定する必要がありました。みんな愚かではないはずですから」 「そして車重が10kgオーバーしていたり、コンセプトが完全に狂ったりしたチームは想定外だと考える必要がありました。それを当てにすることはできませんし、自分たちで結果を残す必要があります」 そして小松代表はこう続けた。 「とてもシンプルなことです。我々(の規模)は300人です。次に小さなチームでもその3倍くらいあります」 「我々は『時間を無駄にした。どれくらい改善できるか?』というところから始まりました。だから『バーレーンで開幕したら、8位になれる』なんて言っていたら、私は愚かか傲慢か、そのどちらかですよ」 「運の良いことに、他の何チームかがやらかしてくれましたが、それを当てにすることはできません。ビジネスなど何かする時は、他人のゴタゴタに乗っかってはいけません。自分で幸運を掴む必要があります。私はそうしようとしています」
Ewan, Gale Alex Kalinauckas