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新型コロナで帰国できず山奥に 大多喜の寺院で生活 スリランカ出身ハリーさん(前編)

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千葉日報オンライン

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で帰国できなくなり、大多喜町の寺院に身を寄せているスリランカ出身の男性がいる。日本語と日本文化を学ぶために来日して4年。一度も故郷に戻らず勉強に専念し、帰国寸前に成田空港で足止めされた男性は「日本だけでなく世界的な問題なので、今は我慢するしかない」と母国の入国制限が解除され、両親に会える日を心待ちにしている。  男性はハリンドゥ・アバヤセーカラさん(29)で、4月から同町の「妙法生寺」に滞在している。寺では早朝に起きて題目を唱え、境内の掃除などの手伝いもしている。蓑輪顕寿住職(62)からは「ハリーさん」と呼ばれている。  子どものころから、書道や生け花といった日本の伝統文化に興味を持っていたハリーさん。中学生の時、日本でも人気を集めたドラマ「おしん」を「スリランカで見て感動した」という。現地の大学で日本語を学び、2016年3月に愛知県内にある大学の留学生として来日した。  翌年には大学院に進み、仏教文学を2年間学んで修士課程を修了。昨年4月からは東京大学で、インド哲学を研究してきた。コンビニなどでのアルバイト経験もあり、大学の論文を漢字を交えて仕上げるまでに日本語は上達した。  そろそろスリランカに戻り就職しようと決めて、帰国準備を進め「2月には航空機のチケットを予約した」。ハンドバッグに香水、チョコレート…。両親やきょうだいへの土産も購入し、3月19日に成田空港へと足を運んだ。  同じ日にスリランカの入国制限が始まったといい、搭乗予定だった航空機も運航が取りやめになった。ハリーさんは「勉強に打ち込むため、来日後は1回も帰国していなかった。両親に会えるのを楽しみにしていたのでショックだった」と振り返る。  暮らしていた東京都内の学生宿舎は既に引き払っており、行き場所はなかった。空港近くのホテルに2週間滞在し途方に暮れていたところ、助けてくれたのは東京大学の指導教授たちだった。恩師の一人に蓑輪住職の弟、顕量さん(60)がいて、実家の妙法生寺を紹介された。4月4日、ハリーさんは大多喜にやって来た。

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