米倉涼子

俳優の米倉涼子が12月6日、都内で行われた「劇場版ドクターX」初日舞台あいさつに、共演の田中圭、内田有紀、今田美桜、勝村政信、岸部一徳、染谷将太、西畑大吾(なにわ男子)、遠藤憲一、メガホンをとった田村直己監督とともに登壇した。 【写真】「ドクターX」の“X”を指でつくる米倉涼子 本作は、天才的な腕を持ちながらも組織に属さず、フリーランスとして病院を渡り歩くクールな女性外科医の活躍を描く人気ドラマシリーズの“完結作”となる劇場版。2012年10月期にテレビ朝日系で放送された第1弾から12年、集大成を迎える今作では米倉演じる“失敗しない外科医”大門未知子が「ドクターX」になるまでのルーツが描かれる他、未知子に史上最大の危機が訪れる――。 ■米倉「みんなと会える日が来なくなっちゃうんだと思うと、少し寂しい気がします」 本作を見終えたばかりの観客の前に登壇した米倉は「今まで何回も舞台あいさつをやってきましたけど、今回初めて映画を見てくれってくだっき…」と早々に噛んで会場の笑いを誘い、「見てくださったお客様にお会いできるのが初めての体験…ちょっと待って、本当にごめん(笑)。緊張してるな私」とうまくしゃべることができず、再び観客を笑わせた。改めて、米倉は「楽しんでもらえましたか？」と客席に投げかけ、盛大な拍手を浴びると「まあね。『か？』って聞かれたらこう(拍手)やらなきゃいけないじゃない。本心を聞きたいところなんですけど、ダラダラ長くなってしまいますので、このあともありますので、え？　うん？　…(笑)。よろしくお願いします」と最後まで噛み続けて、「やだー！」と苦笑した。 改めて、シリーズ最後となる作品が公開された心境を聞かれた米倉は「最後なんです…こうやって一緒にいられるのが」と寂しそうな表情をし、「いつもオペのシーンの途中で、この直線が円になって毎日一緒で、他愛もない話をしながら集中する時間も作るということを12年続けてまいりました」としみじみ。続けて、「宣伝活動もたくさんしましたので、思い残すことはもうないのかなって思っていたんですけど、こうやってみんなと会える日が来なくなっちゃうんだと思うと、少し寂しい気がします」と吐露し、「全力投球して作った映画ですので悔いはないです…多分。こういう形でみなさんとお会いできて、こういう形で映画にすることができて本当にうれしく思っております。みなさんのおかげです」と観客に感謝した。 ■米倉「遠慮とかをもっと吹き飛ばせる俳優になれれば」 新しく挑戦したいことを聞かれた米倉は、本作を一昨日、改めて試写室で見たそうで「いろいろな反省をひっくるめて最後に思ったのは、これを撮影しているときも私は全力投球でやりました。だけどもっともっと真っ向勝負できるような俳優になりたいなって思ったんですよ。遠慮とかをもっと吹き飛ばせる俳優になれればいいのになって思ったので、それがかなうような俳優になれればなというのが1つの挑戦です」と目を輝かせ、「作品の中で(岸部が演じる神原)晶さんが未知子に『あなたは私の誇りよ』って言ってくれたのを思い出すと、私も人から誇りに思ってもらえるような人でありたいなと思いました」と語り、観客から拍手を浴びた。 同じ質問に、内田も「さっき、米ちゃんも映画を見て、俳優としてもっと頑張りたいと言ったときに、“私も思ってる！”って」と吐露して米倉とハイタッチ。「私も改めて、自分が年齢を重ねていっても、まだまだ初心を忘れずに、どれだけいろんなことをしたとしても、どの現場に行ってもはじめましての監督さんやキャストさんで、仲のいい(ドクターX)ファミリーの温かいところに浸かってもいられないので、自分のスキルを信じて、スキルを磨いて、いい役者になっていきたいと。味のある俳優になっていきたいというのが挑戦したいことです」と晴れやかな表情を浮かべた。 ◆取材・文＝風間直人