コロナ厳戒、久々の再会 佐賀県内帰省客ら喜びと不安
年末年始をふるさとなどで過ごす人たちの帰省が26日、始まった。今年は新型コロナウイルス禍で迎える初めての年末年始で、佐賀県内でも佐賀空港やJR佐賀駅を利用する帰省客の姿は例年より少なかった。「久しぶりに会えた」と離れて暮らす家族との再会を喜ぶ姿が見られた一方、移動に伴う感染リスクを不安視する声も聞かれた。 全日空によると、26日の羽田からの佐賀空港到着便は予約段階で50席以上空席だった便もあったという。 祖父母方を訪れるため家族3人で東京から来たという湯浅梨央さん(11)は、フェイスシールドにマスク姿で佐賀空港の到着口から出てきた。ゴールデンウイークや夏休みは帰省を控えたが、来年度は中学受験があり、祖父母と会う機会がないかもしれないと考えた。1年ぶりの再会に「元気そうでよかった」と笑顔を見せた。 「帰ってくるなとは言えなかった」。小野美知子さん(68)=佐賀市=は、息子夫婦と1歳と4歳の孫の到着を待ちわび、本音をこぼした。感染拡大が止まらない東京からの帰省に不安も抱き「息子に『PCR検査を受けて』とお願いした」という。結果は陰性。「1日ぐらいは孫が遊べる広いテーマパークに行ければ」。自然と表情が緩んだ。 高速バスで佐賀市の実家に帰ってきた山梨県の20代男性は、佐賀、山梨両県の感染者が首都圏と比べて少ないと考え、「ウイルスを持ち込んだり、持ち帰ったりする危険性は低い」と帰省を決めたという。ただ、思いとどまった知人もおり「住んでいる場所によって、帰省へのハードルは違うのかも」と話した。 福岡市在住の50代女性は、帰省しないつもりだったが、入院中の母親の容体が思わしくなく、急きょ杵島郡白石町の実家に帰った。感染対策に気を付けながら戻ったが、どこで感染するか分らず「やはりコロナは怖い」と明かした。 (小部亮介、中島野愛)