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南シナ海で高まる衝突の懸念…米中ともに「軍事会談が必要」

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ハンギョレ新聞

南京大学の朱鋒教授、官営メディアに寄稿 「軍事当局の高官級会談の再開を」 米国防長官「緊急連絡網の構築が必要」

 南シナ海をめぐる米中間の対立の状況がますます危険になる中で、偶発的な状況での両国の軍事的衝突を防ぐための高官級軍事当局会談が必要だという中国の専門家の指摘が出てきた。これに先立ち、米国のマーク・エスパー国防長官も先月、「突発状況」への対応のための米中間の緊急連絡網の構築の必要性を強調している。  「サウスチャイナ・モーニングポスト」は4日、米国専門家である南京大学の朱鋒教授が官営の「グローバルタイムズ」に寄稿した文章の内容を引用してこのように伝え、「可能な限り早期に両国の軍事当局間での高官級会談を再開し、偶発的な状況や誤った判断による衝突の可能性を下げるための“安全装置”を確保しなければならない」と強調した。特に朱教授は「11月の大統領選挙を控え、米国のドナルド・トランプ大統領が中米対立をあおり立てるための行動に乗り出す可能性にも備えなければならない」と付け加えた。  これに先立ち、米国のマイク・ポンペオ国務長官は「中国が南シナ海を自国の海上王国にすることを座視しない」(7月13日)、「中国に領土と領海を侵犯された国家に対する支援に乗り出す」(7月15日)など相次いで発言している。「中国が南シナ海でベトナム・マレーシア・フィリピンなどと衝突すれば、米国が軍事的介入の名分にすることがありうる」という懸念が出てくる理由だ。  実際、先月南シナ海では米中間の軍事的対決が懸念される状況がしばしば展開された。中国のシンクタンク「南海戦略態勢感知計画」(SCSPI)の集計の結果、7月に米国は南シナ海一帯の海上で67回も偵察飛行に乗り出した。5月(37回)と6月(49回)に比べ、大幅に増えた数値だ。特に中国軍が紛争水域である西沙諸島(パラセル諸島)で大規模な軍事訓練を実施した7月1~5日に、米軍の偵察飛行が15回も集中した。  飛行回数だけが増えたのではない。中国の領海70海里での近接飛行が9回、60海里での近接飛行が6回、40海里での近接飛行が1回行われるなど、両国軍の間の“物理的距離”も縮まっている。米国は先月4日、ニミッツなど空母2隻を動員した海上演習も行った。「南シナ海に対する米国の政策の方向が『予防』から『対決』に変わった格好」だという指摘が出てくるのもこのためだ。  これに対抗し、中国軍も先月15~16日にミサイル約3000発を発射する大々的な海上打撃演習を行った。これに続き、先月25日から今月2日まで、南部戦区司令部の主導により2段階に分け、夜間長距離空襲訓練を含む高強度爆撃演習に乗り出すなど、軍事的な緊張が一層高まった状態だ。  これに先立ち、米国のマーク・エスパー国防長官は先月21日、英国の国際戦略問題研究所(IISS)主催の討論会で「年内に中国を訪問したい。突発的な状況が発生した際の危機管理のための米中間の緊急連絡網の構築が必要だ」と強調している。これに対し朱教授は「トランプ政権内にも現在の中米関係の危険性をよく認識し、合理的かつ冷静な判断を下すことができる関係者がいることを示す事例」だと評価した。中国当局はまだエスパー長官の訪中問題に対する明確な立場を示さずにいる。  トランプ政権が発足し、米中関係の全方位的な悪化の中で、両国間の軍事交流も凍りついた。米国防総省は2018年5月、「南シナ海の持続的な軍事化」を理由に中国の環太平洋訓練(リムパック)への参加招請を突如取り消し、昨年4月、中国海軍創設70周年記念の観艦式にも前例を破り参加しなかった。両国軍のトップが顔を合わせたのは、昨年6月の中国の魏鳳和国防相と当時の米国のパトリック・シャナハン国防長官代行による、シンガポールで開かれたアジア安保会議(シャングリラ会合)の時が最後だ。 北京/チョン・インファン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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